21012年7月から9月に見た芝居は以下の通り。
7月3日 ままごと「朝がある」
7月4日 オフィスコットーネプロヂュース「コルセット」
7月5日 可児市文化芸術振興財団「高き彼物」
7月10日 悪い芝居「カナヅチ女、夜泳ぐ」
7月11日 範宙遊泳「東京アメリカ」
7月25日 ハイバイ「ポンポン、おまえの自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン」
7月26日 ナカゴー「黛さん、現る」
7月30日 中屋敷法仁「露出狂」
8月4日 第16次笑いの内閣「非実在少女のるてちゃん」
8月7日 ロロ「父母姉僕弟君」
8月8日 クロモリブデン「進化とみなしていいでしょう」
8月14日 演劇企画集団ガジラ「Happy Days 幸せな日々」
8月24日 ぬいぐるみハンター「ゴミくずちゃん可愛い」
8月29日 バストリオ「Very Story,Very Hungry」
9月3日 ヨーロッパ企画イエティ#6「ウィークポイントシャッフル」
9月4日 北京蝶々「都道府県パズル」
9月6日 風煉ダンス「ゲシュタル島崩壊記」
9月7日 マームとジプシー「ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。」
9月14日 tsumazuki no ishi「HEAVEN ELEVEN OF THE DEAD」
9月14日 柿食う客「無差別」
以上の20本。仕事が忙しくなってスケジュールが合わず、見に行けなかった芝居もありました。
そんな中でのベストスリーは、
ハイバイ「ポンポン、おまえの自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン」
ロロ「父母姉僕弟君」
マームとジプシー「ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。」
の、3本です。
ハイバイは、相変わらず、岩井秀人の演技が魅力的でした。
ロロは、そのさわやかな語り口が印象的でした。
マームとジプシーは、繰り返し語られる台詞のリズムと波及力が新鮮でした。
次点は、ままごと「朝がある」でしょうか。マームとジプシーにも通じるものがある繰り返しの魅力がありました。
2012年9月23日日曜日
柿食う客「無差別」
2012年9月14日 19時30分開演 池袋東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:中屋敷法仁
出演:七味まゆ味、玉置玲央、深谷由梨香、永島敬三、大村わたる、葉丸あすか、中屋敷法仁
中屋敷法仁の作・演出作品を見るのは、「女体マクベス」、「露出狂」に続いて3本目だが、今回の作品が一番おもしろかった。おもしろかった、主な原因は、台詞のスピード。台詞のスピードが少しゆっくりになったことで、台詞同士がかみ合い、芝居の展開がよりはっきり理解できるようになった。
しかし、喋りすぎではないかとは、やはり思う。あんなに喋らなくても伝わるだろうにと、考えてしまう。あの過剰な台詞は、作者の強迫観念なのだろうか。柿食う客には、キャストを総入れ替えして演じられる、オールシャッフル版という日が必ずあるが、次回は、そちらも見てみたい。
P.S.
この日は、マチネ、ソワレと1日に2本の芝居を見たが、この方法は問題がある。今回は、たまたま1本目がおもしろかったので、何とか2本目も見る元気が出せたが、もし、1本目がつまらなかったら、2本目を見る元気は出なかったと思う。できるだけ、2本観劇はやめるべきだと思う。しかし、このところ、仕事が忙しいので、そうも言っていられないかもしれない。
作・演出:中屋敷法仁
出演:七味まゆ味、玉置玲央、深谷由梨香、永島敬三、大村わたる、葉丸あすか、中屋敷法仁
中屋敷法仁の作・演出作品を見るのは、「女体マクベス」、「露出狂」に続いて3本目だが、今回の作品が一番おもしろかった。おもしろかった、主な原因は、台詞のスピード。台詞のスピードが少しゆっくりになったことで、台詞同士がかみ合い、芝居の展開がよりはっきり理解できるようになった。
しかし、喋りすぎではないかとは、やはり思う。あんなに喋らなくても伝わるだろうにと、考えてしまう。あの過剰な台詞は、作者の強迫観念なのだろうか。柿食う客には、キャストを総入れ替えして演じられる、オールシャッフル版という日が必ずあるが、次回は、そちらも見てみたい。
P.S.
この日は、マチネ、ソワレと1日に2本の芝居を見たが、この方法は問題がある。今回は、たまたま1本目がおもしろかったので、何とか2本目も見る元気が出せたが、もし、1本目がつまらなかったら、2本目を見る元気は出なかったと思う。できるだけ、2本観劇はやめるべきだと思う。しかし、このところ、仕事が忙しいので、そうも言っていられないかもしれない。
tsumazuki no ishi「HEAVEN ELEVEN OF THE DEAD」
2012年9月14日 14時開演 下北沢ザ・スズナリ
作:スエヒロケイスケ 演出:寺十吾
出演:津村知与支、日暮玩具、亜矢乃、西園泰博、松原正隆、宇鉄菊三、大高洋子、佐藤健、中野麻衣、舞山裕子、岡野正一、寺十吾、柿丸美智恵
死んで、ゾンビになった自分の体を、スマホを使ってコントロールしようとしたり、よりよいコントロールのためには、完全同期が必要だと叫んでみたり、なんといい加減なSF設定だと思いながら見ていたら、最後にはすべて一人の少女の妄想であり、彼女が書いていたストーリーだと言うことがわかって、一応、ツジマジがあうようにはなっている。
その最初はわけのわからない状況の中で、自由に動いて芝居をしている、コンビニの店員二人、津村知与支と日暮玩具、ホームレスの二人、寺十吾と柿丸美智恵がおもしろい。
特に、柿丸美智恵は「Happy Days」のシリアスな役柄より、肩の力が抜けて楽しそうだ。あと、妄想の原因となる少女、ワックンを演じた舞山裕子が可愛い。次回作も見てみたい。
作:スエヒロケイスケ 演出:寺十吾
出演:津村知与支、日暮玩具、亜矢乃、西園泰博、松原正隆、宇鉄菊三、大高洋子、佐藤健、中野麻衣、舞山裕子、岡野正一、寺十吾、柿丸美智恵

その最初はわけのわからない状況の中で、自由に動いて芝居をしている、コンビニの店員二人、津村知与支と日暮玩具、ホームレスの二人、寺十吾と柿丸美智恵がおもしろい。
特に、柿丸美智恵は「Happy Days」のシリアスな役柄より、肩の力が抜けて楽しそうだ。あと、妄想の原因となる少女、ワックンを演じた舞山裕子が可愛い。次回作も見てみたい。
2012年9月8日土曜日
マームとジプシー「ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。」
2012年9月7日 19時30分開演 三鷹市芸術文化センター
作・演出:藤田貴大
出演:伊野香織、石井亮介、萩原綾、尾野島慎太朗、斎藤章子、高山玲子、成田亜祐美、波佐谷聡、召田実子、吉田聡子
独特のアクセントで、台詞を繰り返し繰り返し語っていくことで、独特の感覚を客席まで広げていく感じがとてもおもしろいです。
独特のアクセントを使う劇団は、「地点」とか「チェルフィッチュ」などがあるが、この劇団は、その台詞回しに感情を乗せて、それがどんどんエスカレートしていくところがほかとは違うとことろです。100年続いた祖母の家が、区画整理で取り壊された。自分たちが住んでいた、一度は捨てたと思った家が亡くなることの喪失感、悲しみが台詞が繰り返されるたびにだんだん大きくなり、それが次第に観客にも広がっていく。今までに感じたことのない一体感でした。
次回公演も是非、見たいと思います。
作・演出:藤田貴大
出演:伊野香織、石井亮介、萩原綾、尾野島慎太朗、斎藤章子、高山玲子、成田亜祐美、波佐谷聡、召田実子、吉田聡子

独特のアクセントを使う劇団は、「地点」とか「チェルフィッチュ」などがあるが、この劇団は、その台詞回しに感情を乗せて、それがどんどんエスカレートしていくところがほかとは違うとことろです。100年続いた祖母の家が、区画整理で取り壊された。自分たちが住んでいた、一度は捨てたと思った家が亡くなることの喪失感、悲しみが台詞が繰り返されるたびにだんだん大きくなり、それが次第に観客にも広がっていく。今までに感じたことのない一体感でした。
次回公演も是非、見たいと思います。
2012年9月7日金曜日
風煉ダンス「ゲシュタル島崩壊記」
2012年9月6日 19時30分開演 調布市せんがわ劇場
作:林周一 演出:笠原真志
出演:河内哲二郎、吉田佳世、田中晶、リアルマッスル泉、吉成淳一、荒井クルミ、松尾容子、溝口明日美、南波トモコ、本山三火、荒巻大道、林周一、有馬則純、笠原真志、関根真理
3本も残念な芝居が続いた後だったので、「劇団名もかっこいいし、結構昔からやってるらしいから」と、勝手に期待して見に行きましたが、結果は、「微妙」というところでしょうか。
手作り感満載の段ボールを素材にした装置、小道具、衣装をはじめとして、いい大人が嬉しそうに装置を作り、稽古をして、やがて初日を迎えて、楽しく舞台の上ではしゃぐ。
とてもほほえましく、温かい気持ちにはなるのですが、私には若干の違和感がありました。芝居をする人は、「わかる人だけがわかればいい。これが俺の表現だ。」と言いつつ、「俺の表現を、すべてにの人に理解してほしい。いや、俺の力で理解させてみせる。」という、欲求があると思います。いわゆるハングリー精神というやつです。それが、技術以上に、舞台を輝かせたり、思わぬ感動を呼んだりすることもあると思います。
風煉ダンスは、もっと大人で、本当に好きな人だけが見に来てくれればいいと思っているようです。余分な欲がないというか、芝居を作る課程を楽しみ、舞台の上でそれをお客さんと共有するを楽しむ。すてきなことだとは思いますが、意地悪く見れば、「大人のお遊戯会」ともいえると思います。
その自己満足さ加減が、今の私に違和感を感じさせる原因だと思います。
次回公演を見に行くかどうかは、微妙です。
作:林周一 演出:笠原真志
出演:河内哲二郎、吉田佳世、田中晶、リアルマッスル泉、吉成淳一、荒井クルミ、松尾容子、溝口明日美、南波トモコ、本山三火、荒巻大道、林周一、有馬則純、笠原真志、関根真理

手作り感満載の段ボールを素材にした装置、小道具、衣装をはじめとして、いい大人が嬉しそうに装置を作り、稽古をして、やがて初日を迎えて、楽しく舞台の上ではしゃぐ。
とてもほほえましく、温かい気持ちにはなるのですが、私には若干の違和感がありました。芝居をする人は、「わかる人だけがわかればいい。これが俺の表現だ。」と言いつつ、「俺の表現を、すべてにの人に理解してほしい。いや、俺の力で理解させてみせる。」という、欲求があると思います。いわゆるハングリー精神というやつです。それが、技術以上に、舞台を輝かせたり、思わぬ感動を呼んだりすることもあると思います。
風煉ダンスは、もっと大人で、本当に好きな人だけが見に来てくれればいいと思っているようです。余分な欲がないというか、芝居を作る課程を楽しみ、舞台の上でそれをお客さんと共有するを楽しむ。すてきなことだとは思いますが、意地悪く見れば、「大人のお遊戯会」ともいえると思います。
その自己満足さ加減が、今の私に違和感を感じさせる原因だと思います。
次回公演を見に行くかどうかは、微妙です。
2012年9月5日水曜日
北京蝶々「都道府県パズル」
2012年9月4日 14時30分開演 王子小劇場
作:大塩哲史
演出:登米裕一(キリンバズウカ)
出演:八木橋達郎、中田麦平、鶴巻公江、渡辺樹里、鴨下亨、田渕彰展、井ノ本慎平、緒方晋、峰仁志、中村靖、宗像志保、高橋悠、阿久津紀夫、岡本篤、瀬古俊樹、森田祐志、薦田二郎、村上誠基
笑いの内閣と同じように、私の嫌いな政治的な問題をテーマとしてディスカッションするような演劇。
どうして新聞やテレビWEB上で書かれているような討論を、舞台で聞かなくてはいけないのか、それがまず理解できません。ストーリーは、「道州制を周知するためのフェスティバルのの内容を決めるため、各地から選ばれた委員が、イベント運営会社のコントロールや、反対派の意見にも惑わされず、福島を救うためにみんなで考えようとする。」といったものなのですが、政治的な意見はどれももっともらしいだけに、その主張だけが耳に入ってきてうるさいだけです。役者の力量がかなりないと街頭演説と変わりないものにしか聞こえません。主張だけが飛び交って、なんのイメージも膨らまない寂しい舞台でした。
北京蝶々は、二度と見ないと思います。
この芝居を含めて、連続3本外れを引いてしまいました。前評判や、劇評などは当てにしないで自分の勘だけで、予約を入れる。芝居は自分で見るまでわからない。と、信じてきましたが、少し弱気になってきました。
次の劇団に期待です。
作:大塩哲史
演出:登米裕一(キリンバズウカ)
出演:八木橋達郎、中田麦平、鶴巻公江、渡辺樹里、鴨下亨、田渕彰展、井ノ本慎平、緒方晋、峰仁志、中村靖、宗像志保、高橋悠、阿久津紀夫、岡本篤、瀬古俊樹、森田祐志、薦田二郎、村上誠基

どうして新聞やテレビWEB上で書かれているような討論を、舞台で聞かなくてはいけないのか、それがまず理解できません。ストーリーは、「道州制を周知するためのフェスティバルのの内容を決めるため、各地から選ばれた委員が、イベント運営会社のコントロールや、反対派の意見にも惑わされず、福島を救うためにみんなで考えようとする。」といったものなのですが、政治的な意見はどれももっともらしいだけに、その主張だけが耳に入ってきてうるさいだけです。役者の力量がかなりないと街頭演説と変わりないものにしか聞こえません。主張だけが飛び交って、なんのイメージも膨らまない寂しい舞台でした。
北京蝶々は、二度と見ないと思います。
この芝居を含めて、連続3本外れを引いてしまいました。前評判や、劇評などは当てにしないで自分の勘だけで、予約を入れる。芝居は自分で見るまでわからない。と、信じてきましたが、少し弱気になってきました。
次の劇団に期待です。
ヨーロッパ企画イエティ#6「ウィークポイントシャッフル」
2012年9月3日 19時30分開演 下北沢駅前劇場
作・演出:大歳倫弘
出演:酒井善史、角田貴志、土佐和成、安藤真理、花本有加、福井菜月、向井咲絵
ヨーロッパ企画という名前は、いろいろな芝居で客演している役者の所属先としてよく聞く名前なので、チケットをとってみました。外部から呼ばれることが多い劇団は、たぶんよい芝居をするだろうという読みでした。
残念ながら、その読みは完全に外れました。慌てて調べてみたら、「イエティ」というのは劇団内ユニットで、本体とは別の人が作・演出されているようです。
芝居は、ザット(that)と呼ばれる怪物が怖くて外出できず、通販で暮らしている4人姉妹の家に、謎の男が車が故障したといって現れるところから恥じます。父親はザットに殺され、唯一ピザの配達人だけがいろいろなものを届けてくれる。という導入部分から、シリアスにも、ホラーにも、サスペンスにもいかず、ひたすら緩く通販の商品を喜々として説明しまくる4人姉妹。
しかし、その4人姉妹を演ずる女優がそろいもそろって、ひどくて見ていられない。台詞は、棒読み、体は動かない。ストーリーがどうのこうのいう前に、見る気が全くしないのです。まあ、ストーリーも突っ込みどころ満載ですが、そこまで気が回りませんでした。
ヨーロッパ企画本体の芝居も見てみたいものです。
作・演出:大歳倫弘
出演:酒井善史、角田貴志、土佐和成、安藤真理、花本有加、福井菜月、向井咲絵

残念ながら、その読みは完全に外れました。慌てて調べてみたら、「イエティ」というのは劇団内ユニットで、本体とは別の人が作・演出されているようです。
芝居は、ザット(that)と呼ばれる怪物が怖くて外出できず、通販で暮らしている4人姉妹の家に、謎の男が車が故障したといって現れるところから恥じます。父親はザットに殺され、唯一ピザの配達人だけがいろいろなものを届けてくれる。という導入部分から、シリアスにも、ホラーにも、サスペンスにもいかず、ひたすら緩く通販の商品を喜々として説明しまくる4人姉妹。
しかし、その4人姉妹を演ずる女優がそろいもそろって、ひどくて見ていられない。台詞は、棒読み、体は動かない。ストーリーがどうのこうのいう前に、見る気が全くしないのです。まあ、ストーリーも突っ込みどころ満載ですが、そこまで気が回りませんでした。
ヨーロッパ企画本体の芝居も見てみたいものです。
2012年8月30日木曜日
バストリオ「Very Story,Very Hungry」
2012年8月29日 19時30分開演 横浜 BankArt Studio NYK
作・演出:今野裕一郎
出演:狗丸トモヒロ、橋本和加子、八木光太郎、深川奈緒美、伊藤羊子、平石はと子、秋山莉紗、今野裕一郎、児玉悟之、酒井和哉、石田美生、砂川佳代子、萬州通擴、小林光春
海外で芝居でも見ようと入ったら、それが前衛的な芝居だったりして全く訳がわからず、せめて言葉がわかれば少しは理解できておもしろいかどうかの判断くらいはできるのに、それもかなわず意味不明のまま劇場を後にするという経験が何度かありましたが、日本でも同じ目に会うとは思いませんでした。
もちろん、台詞は日本語なのでいっていることはわかりますが、台詞が理解できたところでおもしろくなるものではないことがよくわかりました。おもしろいと思うことと、台詞の意味が理解できることは、別の次元の話なんですね。
稽古の時に、演出家は役の性格や、位置づけ、なぜこのような台詞の言い方をするのか説明しながら芝居を作っていき、役者はそれを受けて役作りをしていったと思うのですが、舞台に現れたものは、棒読みの台詞と、意味不明の動作、全くつながらず何のイメージも広がらない細切れのシーンの羅列でした。
会場もこの芝居にはよくなかったと思います。昔の倉庫をそのままホールにしたので、コンクリート打ちっ放しの床、壁、柱には「坪荷重 20t」と大きく赤字で書かれている実にリアリティあふれる空間です。ここでは、すべての演技が嘘にしか見えません。普通の劇場でやった方が、まだ意味ありげに見えたかもしれません。実にお尻が痛いだけの90分でした。
作・演出:今野裕一郎
出演:狗丸トモヒロ、橋本和加子、八木光太郎、深川奈緒美、伊藤羊子、平石はと子、秋山莉紗、今野裕一郎、児玉悟之、酒井和哉、石田美生、砂川佳代子、萬州通擴、小林光春

もちろん、台詞は日本語なのでいっていることはわかりますが、台詞が理解できたところでおもしろくなるものではないことがよくわかりました。おもしろいと思うことと、台詞の意味が理解できることは、別の次元の話なんですね。
稽古の時に、演出家は役の性格や、位置づけ、なぜこのような台詞の言い方をするのか説明しながら芝居を作っていき、役者はそれを受けて役作りをしていったと思うのですが、舞台に現れたものは、棒読みの台詞と、意味不明の動作、全くつながらず何のイメージも広がらない細切れのシーンの羅列でした。
会場もこの芝居にはよくなかったと思います。昔の倉庫をそのままホールにしたので、コンクリート打ちっ放しの床、壁、柱には「坪荷重 20t」と大きく赤字で書かれている実にリアリティあふれる空間です。ここでは、すべての演技が嘘にしか見えません。普通の劇場でやった方が、まだ意味ありげに見えたかもしれません。実にお尻が痛いだけの90分でした。
2012年8月25日土曜日
ぬいぐるみハンター「ゴミくずちゃん可愛い」
2012年8月24日 14時30分開演 王子小劇場
作・演出:池亀三太
出演:浅利ねこ、満間昂平、川本直人、江幡朋子、佐賀モトキ、富山恵理子、石黒淳士、猪股和麿、平舘宏大、竹田有希子、浅見紘至、工藤史子、橋口克哉
2回目のぬいぐるみハンター観劇。相変わらず、ポップでポジティブ、前向きな作風は好感が持てます。残念だったのは、モノローグがものすごく多くて、それがブレーキとなって、スピード感がなかったことです。モノローグはどうしても説明的になってしまうので、退屈してしまうし、景色が広がらないので苦手です。
役者としては、漫画の「お坊ちゃま君」を彷彿とさせるゴウトクジの浅見紘至や、その秘書クニマツの工藤史子、ボディガードのコムスビ、橋口克哉がおもしろかったです。とくに橋口克哉はその体のでかさで、演技力以前に独特の存在感を醸し出していました。
この劇団の魅力は、ポップ、ポジティブ、スピードだと思うので、そのうちの一つがかけたこの公演は、少々残念です。
作・演出:池亀三太
出演:浅利ねこ、満間昂平、川本直人、江幡朋子、佐賀モトキ、富山恵理子、石黒淳士、猪股和麿、平舘宏大、竹田有希子、浅見紘至、工藤史子、橋口克哉

役者としては、漫画の「お坊ちゃま君」を彷彿とさせるゴウトクジの浅見紘至や、その秘書クニマツの工藤史子、ボディガードのコムスビ、橋口克哉がおもしろかったです。とくに橋口克哉はその体のでかさで、演技力以前に独特の存在感を醸し出していました。
この劇団の魅力は、ポップ、ポジティブ、スピードだと思うので、そのうちの一つがかけたこの公演は、少々残念です。
演劇企画集団ガジラ「Happy Days 幸せな日々」
2012年8月12日日曜日
クロモリブデン「進化とみなしていいでしょう」
2012年8月8日 19時30分開演 赤坂レッドシアター
作・演出:青木秀樹
出演:奥田ワレタ、ゆにば、久保貫太郎、花戸祐介、佐藤みゆき、武子太郎、手塚けだま、森下亮、幸田尚子、小林義典、渡邊とかげ、金沢涼恵
おしゃれな町赤坂のおしゃれなレッドシアターで、メジャーを目指す気ありありのSFのような芝居でした。自分の空想と現実が入り乱れてドタバタコメディになっていきます。台詞のきれもよく、なかなかおもしろく話は進んでいくのですが、ラストシーンで突然、国家権力による統制社会というイメージが前面に出てきて、それに対するプロテストという感じでかっこよく終わります。
ワタシは、そこで完全にしらけてしまいました。この劇団は、かっこよければ何でもよいような印象を受けたからです。
元々この劇団のメジャー指向に抵抗があったせいもあると思います。私のいうメジャー指向とは、過去作品のDVD販売、Tシャツなどの物品販売に熱心だということを指します。一つの作品から様々な形で収入を得ようとするのは、制作の力があることの印でしょうし、劇団を続けていく上でかなりの助けになることは理解できますが、そこまで気が回らない、もしくはそんなことに興味がない不器用な劇団に好感が持てます。
一回見たら十分という感じで、次回作は見ないと思います。
作・演出:青木秀樹
出演:奥田ワレタ、ゆにば、久保貫太郎、花戸祐介、佐藤みゆき、武子太郎、手塚けだま、森下亮、幸田尚子、小林義典、渡邊とかげ、金沢涼恵

ワタシは、そこで完全にしらけてしまいました。この劇団は、かっこよければ何でもよいような印象を受けたからです。
元々この劇団のメジャー指向に抵抗があったせいもあると思います。私のいうメジャー指向とは、過去作品のDVD販売、Tシャツなどの物品販売に熱心だということを指します。一つの作品から様々な形で収入を得ようとするのは、制作の力があることの印でしょうし、劇団を続けていく上でかなりの助けになることは理解できますが、そこまで気が回らない、もしくはそんなことに興味がない不器用な劇団に好感が持てます。
一回見たら十分という感じで、次回作は見ないと思います。
ハンモック
夏の寝苦しさ対策として、去年から考えていたハンモックを購入しました。最初は単管パイプとジョイント金具でつり枠を作ろうかと考えたのですが、3〜4万円のお金がかかるので、タンスを三つ移動して柱にフックを取り付けました。寝心地は、想像していたものと全く違いました。勝手に、ウォーターベッドのようなふあふあ浮いているような寝心地をイメージしていたのですが、実際には自分の体重でネットが沈み込み、寝返りも簡単にはうてないような状態になります。頭やお尻など体重が重くかかるところは、ネットが深く沈むので、自分でその部分にネットを寄せ集めて沈まないような工夫も必要です。
ハンモックで寝て気持ちがよいのは、ゆっくりとゆりかごのように揺れてくれるところと、敷き布団と触れているところに汗がたまらないところです。
ハンモックで寝て気持ちがよいのは、ゆっくりとゆりかごのように揺れてくれるところと、敷き布団と触れているところに汗がたまらないところです。
2012年8月8日水曜日
ロロ「父母姉僕弟君」
2012年8月7日 19時30分開演 王子小劇場
作・演出:三浦直之
出演:亀島一徳、島田桃子、望月綾乃、内海正考、田中祐弥、葉丸あすか、多賀麻美、篠崎大悟、山田拓実、小橋れな
前回の笑いの内閣が非常に後味が悪かったので、いっそう魅力的に見えたのかもしれませんが、台詞の一つ一つがさわやかで、とても好感が持てました。
家族という人間関係を再構築するために、忘れたことを思い出したり、再確認したりするストーリーです。
特に、台詞のさわやかというか素直さがすてきでした。
一部,理屈が不明なところもありましたが、それでも素直に聞けたのは、役者の力量と台詞の力だと思います。
残念だったのは、装置が上下の大きなベニヤの東西パネルと正面のベニヤパネルだったのですが、東西パネルに丁番がついているのが見えたりして、ラストにこの東西が閉まって、その間に正面パネルでかくされていたものが現れる大ドンデンがあるだろうことがわかってしまうことでした。
そこは、残念。
次回公演も、是非みたいです。
作・演出:三浦直之
出演:亀島一徳、島田桃子、望月綾乃、内海正考、田中祐弥、葉丸あすか、多賀麻美、篠崎大悟、山田拓実、小橋れな

家族という人間関係を再構築するために、忘れたことを思い出したり、再確認したりするストーリーです。
特に、台詞のさわやかというか素直さがすてきでした。
一部,理屈が不明なところもありましたが、それでも素直に聞けたのは、役者の力量と台詞の力だと思います。
残念だったのは、装置が上下の大きなベニヤの東西パネルと正面のベニヤパネルだったのですが、東西パネルに丁番がついているのが見えたりして、ラストにこの東西が閉まって、その間に正面パネルでかくされていたものが現れる大ドンデンがあるだろうことがわかってしまうことでした。
そこは、残念。
次回公演も、是非みたいです。
第16次笑いの内閣「非実在少女のるてちゃん」
2012年8月4日 13時開演 駒場アゴラ劇場
作・演出:高間響
出演:伊集院聖羅、田中浩之、小林真弓、上蔀優樹、鈴木ちひろ、中西良友、由良真介、眞野ともき、藤井真理、合田団地、浪崎孝二郎、キタノ万里、髭だるマン、柾木ゆう、向坂達矢
始まったとたんに、来たことを公開しました。すぐにでも帰りたかったのですが、狭いアゴラ劇場でお客さんの視線を感じながら退出する勇気もなく、しかたなく最後までいました。
東京都の青少年健全育成条例にに反対することをテーマにした芝居ですが、推進派はヒステリックに、反対派は理路整然と心優しく描かれています。どちらの台詞もすべて、今までどこかで聞いたことがあるものばかり。それが学芸会のような芝居と、へたくそな歌で表されていきます。
本当に私の嫌いなパターンの芝居でした。
いいたいことは様々あるでしょうが、その前に芝居としておもしろくなければ、芝居にする必要があるとは思えません。あれなら、街頭演説でもした方がまだ多くの人に聞いてもらえるだけ、ましなんじゃないでしょうか?
芝居としては見るに堪えないし、プロパガンダだとしたら、多くの人に知られないので失敗だと思います。
見に行ったことを、心から後悔しています。
作・演出:高間響
出演:伊集院聖羅、田中浩之、小林真弓、上蔀優樹、鈴木ちひろ、中西良友、由良真介、眞野ともき、藤井真理、合田団地、浪崎孝二郎、キタノ万里、髭だるマン、柾木ゆう、向坂達矢

東京都の青少年健全育成条例にに反対することをテーマにした芝居ですが、推進派はヒステリックに、反対派は理路整然と心優しく描かれています。どちらの台詞もすべて、今までどこかで聞いたことがあるものばかり。それが学芸会のような芝居と、へたくそな歌で表されていきます。
本当に私の嫌いなパターンの芝居でした。
いいたいことは様々あるでしょうが、その前に芝居としておもしろくなければ、芝居にする必要があるとは思えません。あれなら、街頭演説でもした方がまだ多くの人に聞いてもらえるだけ、ましなんじゃないでしょうか?
芝居としては見るに堪えないし、プロパガンダだとしたら、多くの人に知られないので失敗だと思います。
見に行ったことを、心から後悔しています。
2012年8月3日金曜日
中屋敷法仁「露出狂」
2012年7月30日 19時開演 渋谷パルコ劇場
作・演出:中屋敷法仁
出演:江本時生、遠藤要、入野自由、玉置礼央、畑中しんじろう、磯村洋祐、板橋瞬谷、稲葉友、孔大維、遠山悠介、長島敬三、松田凌、間宮祥太朗、森崎ウィン
中屋敷法仁演出作品を見るのはこれで2回目ですが、早くも飽きました。ダイヤローグ、モノローグの区別なく、短いセンテンスを早口でしゃべりまくる。衣装は、ユニフォームのようにみんな同じ学生服で、誰が誰だか区別がつきにくい。何かに似ているなあと考えたら、AKB48でした。AKBも同じ衣装で、魅力を感じて中に入り込めば、大島優子だの前田敦子だの区別がつきますが、興味がなくて遠目から見たら誰が誰だか見分けるのは難しいです。今回も学生服で喋りまくられて、見分けがつかない中、一人目立っていたのは、柄本時生でした。「黄色い月」の時はわざとらしく耳障りだった台詞回しが、画一的なしゃべりの中では、魅力的に聞こえます。画一的なかっこよさや、安直な動きの中では、ださい独特な仕草が、とても新鮮に見えます。
柄本時生がうまいのは、自分とそのほかの画一的な役者達とを対立構造に持っていかず、あくまでマイペースで芝居を進めていくところです。それにより、画一の海でふわふわ浮いているように見え、他の役者が柄本を押し上げているように見えます。柄本家の血筋のなせる技でしょうか。
中屋敷演出の魅力は、そのスピードで観客を巻き込み、テーマをぶちこわしていく爽快感にあると思います。前回の「女人マクベス」では、その対象がシェークスピアのマクベスでであったわけで、あの大家の大作を清水もこみちもかくやと思えるスピードであらみじんに切り刻み、新しい料理のように見せました。今回の料理は失敗だと思います。もしくは、私が、その味付けに飽きただけでしょうか。
この芝居を見る前に、9月の「柿食う客」公演のチケットを予約してしまいました。
少し後悔しています。
作・演出:中屋敷法仁
出演:江本時生、遠藤要、入野自由、玉置礼央、畑中しんじろう、磯村洋祐、板橋瞬谷、稲葉友、孔大維、遠山悠介、長島敬三、松田凌、間宮祥太朗、森崎ウィン

柄本時生がうまいのは、自分とそのほかの画一的な役者達とを対立構造に持っていかず、あくまでマイペースで芝居を進めていくところです。それにより、画一の海でふわふわ浮いているように見え、他の役者が柄本を押し上げているように見えます。柄本家の血筋のなせる技でしょうか。
中屋敷演出の魅力は、そのスピードで観客を巻き込み、テーマをぶちこわしていく爽快感にあると思います。前回の「女人マクベス」では、その対象がシェークスピアのマクベスでであったわけで、あの大家の大作を清水もこみちもかくやと思えるスピードであらみじんに切り刻み、新しい料理のように見せました。今回の料理は失敗だと思います。もしくは、私が、その味付けに飽きただけでしょうか。
この芝居を見る前に、9月の「柿食う客」公演のチケットを予約してしまいました。
少し後悔しています。
2012年7月27日金曜日
ナカゴー「黛さん、現る」
2012年7月26日 20時開演 王子小劇場
作・演出:鎌田順也
出演:佐々木幸子、鈴木純子、墨井鯨子、田畑菜々子、鎌田順也、高畑遊、篠原正明、甘粕阿紗子、菊池明明、飯田こうこ
高校時代の友人3人が都電の駅で待ち合わせて、もう一人の友人の家に行こうとしている。
どうもその友人がストーカー被害にあっているらしく、それを助けに行くつもりなのだ。家に着くと、そこには、昔所属していた劇団の仲間(カムヰヤッセンの甘粕阿沙子実名そのまま)もいて、じつはストーカー騒ぎはあっさり解決していたことがわかる。高校時代の話から、同じ美術部で事故でなくなった親友だった子を思いだし、喪失感のあまり海に行って死にたくなる。なぜか全員にそれが感染し、海に行こうとするが、一人夜アルバイトのある子が、正気を取り戻し、金槌を使った大立ち回りで阻止しようとする。
延々と続いた立ち回りの後、全員痛さのあまり正気を取り戻し、悪魔払いをして亡くなった子の記憶を忘れる。
あらすじをまとめてみると、荒唐無稽というか行き当たりばったりというか、何が言いたいのかわかりません。
それよりも気になったのは、最初の駅での会話が、妙に間の悪い訥々とした調子で始まったことでした。
現実の会話は考えながらしゃべるので、おかしなところに間があったり、話が途中で飛んだりしがちなものですが、それを再現したのかもしれませんが、舞台上で聞くとリアルには聞こえず、へたくそに聞こえるだけでした。
金槌の立ち回りまでは、少ししらけた雰囲気が漂いつつ、無理矢理話が進んでいきます。
立ち回りで、一気にヒートアップして、おもしろかったです。
もしかしたら、この立ち回りがやりたかっただけなのかもしれません。
次回公演は、見に行かないと思います。
作・演出:鎌田順也
出演:佐々木幸子、鈴木純子、墨井鯨子、田畑菜々子、鎌田順也、高畑遊、篠原正明、甘粕阿紗子、菊池明明、飯田こうこ

どうもその友人がストーカー被害にあっているらしく、それを助けに行くつもりなのだ。家に着くと、そこには、昔所属していた劇団の仲間(カムヰヤッセンの甘粕阿沙子実名そのまま)もいて、じつはストーカー騒ぎはあっさり解決していたことがわかる。高校時代の話から、同じ美術部で事故でなくなった親友だった子を思いだし、喪失感のあまり海に行って死にたくなる。なぜか全員にそれが感染し、海に行こうとするが、一人夜アルバイトのある子が、正気を取り戻し、金槌を使った大立ち回りで阻止しようとする。
延々と続いた立ち回りの後、全員痛さのあまり正気を取り戻し、悪魔払いをして亡くなった子の記憶を忘れる。
あらすじをまとめてみると、荒唐無稽というか行き当たりばったりというか、何が言いたいのかわかりません。
それよりも気になったのは、最初の駅での会話が、妙に間の悪い訥々とした調子で始まったことでした。
現実の会話は考えながらしゃべるので、おかしなところに間があったり、話が途中で飛んだりしがちなものですが、それを再現したのかもしれませんが、舞台上で聞くとリアルには聞こえず、へたくそに聞こえるだけでした。
金槌の立ち回りまでは、少ししらけた雰囲気が漂いつつ、無理矢理話が進んでいきます。
立ち回りで、一気にヒートアップして、おもしろかったです。
もしかしたら、この立ち回りがやりたかっただけなのかもしれません。
次回公演は、見に行かないと思います。
ハイバイ「ポンポン、おまえの自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン」
2012年7月15日日曜日
範宙遊泳「東京アメリカ」
2012年7月11日 14時開演 駒場アゴラ劇場
作・演出:山本卓卓
出演:大橋一輝、熊川ふみ、杢本幸良、浅川千絵、斎藤マッチュ、高木健、田中美希恵、福原冠、山脇唯、緑茶麻悠
作・演出の山本卓卓がTwitterで、「芝居の方法論を語るよりも、舞台上で役者がどれだけ生き生きしているかの方が重要だ。」というようなことをつぶやいていたので、見に行きました。本番直前の小劇場演劇の稽古場風景。思いつきのように様々な要求を出す演出家。
理解できないながら何とかそれに応えようとする役者。
なぜか、遅刻ばかりする演出助手。
はたまた、演出家と女優ができていたり、理屈で役柄を理解しようとする新人がいたり。
実は、この芝居を見た後、ある劇団の稽古に立ち会う機会がありました。実際の演出家も、結構、わがままな要求を矢継ぎ早に出していて、おかしかったです。
役者が実名で登場するすることや、演出家役の役者がいることで、現実なのか虚構なのかだんだん曖昧になっていき、降板した役者の代役に海王星人が現れたり、作り物のレーザーガンで人が死んだりします。
現実と虚構の間をぬっていく脚本と演出はうまいと思いました。
しかし、悪い芝居の時に感じたように、「前に見た気がする」感が否めません。
次回公演を見るかどうかは、微妙なところです。
作・演出:山本卓卓
出演:大橋一輝、熊川ふみ、杢本幸良、浅川千絵、斎藤マッチュ、高木健、田中美希恵、福原冠、山脇唯、緑茶麻悠

理解できないながら何とかそれに応えようとする役者。
なぜか、遅刻ばかりする演出助手。
はたまた、演出家と女優ができていたり、理屈で役柄を理解しようとする新人がいたり。
実は、この芝居を見た後、ある劇団の稽古に立ち会う機会がありました。実際の演出家も、結構、わがままな要求を矢継ぎ早に出していて、おかしかったです。
役者が実名で登場するすることや、演出家役の役者がいることで、現実なのか虚構なのかだんだん曖昧になっていき、降板した役者の代役に海王星人が現れたり、作り物のレーザーガンで人が死んだりします。
現実と虚構の間をぬっていく脚本と演出はうまいと思いました。
しかし、悪い芝居の時に感じたように、「前に見た気がする」感が否めません。
次回公演を見るかどうかは、微妙なところです。
2012年7月11日水曜日
悪い芝居「カナヅチ女、夜泳ぐ」
2012年7月10日 19時30分開演 王子小劇場
作・演出:山崎彬
出演:吉川莉早、呉城久美、植田順平、森井めぐみ、大河原瑞穂、村上誠基、渡邊圭介、、大塚宜幸、池川貴清、畑中華香、山崎彬、宮下絵馬
悪い芝居という魅力的な劇団名に誘われて、観劇しました。芝居をしていない役者も舞台上にいて、必要に応じて様々な役を演じていく形で、芝居は進みます。道具も学校椅子と机が二つくらい。窓や、扉などは、必要なときに役者が持って出てきたりします。
役者の若さとチームワークの良さで、話はテンポよくどんどん進みます。
物語は、河童と人間の合いの子の主人公蛍は、気持ちが高揚すると体が宙に浮いて、空が飛べる。なぜだかわからないが、高校卒業と同時に東京に家出するが、12年ぶりに故郷に帰ってくる。しかし、東京の12年間はおろか、故郷でのこともほとんど記憶がない。親友らの助けを借りて記憶をたどってみると、どうも自分は4年前に自殺したらしい。記憶がないのもそのせいらしい。河童の力で過去に飛んで帰り、自殺しようとしている自分を説得しようとする。
うーん、実に話がめちゃくちゃですね。私が肝心なところを聞き逃していたのか、勢いに乗せられて見過ごしていたのか、よくわかりません。
とにかくラストは、東京に夜行バスで着いたときのモノローグを、テンション高く繰り返して唐突に終わる。
十分楽しかったし、おもしろかったです。しかし、こういう芝居って前に見た気がするんですね。
役者がいつも舞台にいる。(出番でない人が、楽屋に引っ込まない。)
舞台の転換も役者がやることで、芝居の中に積極的に取り込んでしまう。
過去の自分を助けに行く物語。
うまくいったり、いかなかったりしていた芝居を昔、具体的にどれといえないけれど,
さんざん見た気がする。
別に、似ていてもいいんです。でも、そんなことが気にならないくらいおもしろいわけではなかったことが、少し残念です。
作・演出:山崎彬
出演:吉川莉早、呉城久美、植田順平、森井めぐみ、大河原瑞穂、村上誠基、渡邊圭介、、大塚宜幸、池川貴清、畑中華香、山崎彬、宮下絵馬

役者の若さとチームワークの良さで、話はテンポよくどんどん進みます。
物語は、河童と人間の合いの子の主人公蛍は、気持ちが高揚すると体が宙に浮いて、空が飛べる。なぜだかわからないが、高校卒業と同時に東京に家出するが、12年ぶりに故郷に帰ってくる。しかし、東京の12年間はおろか、故郷でのこともほとんど記憶がない。親友らの助けを借りて記憶をたどってみると、どうも自分は4年前に自殺したらしい。記憶がないのもそのせいらしい。河童の力で過去に飛んで帰り、自殺しようとしている自分を説得しようとする。
うーん、実に話がめちゃくちゃですね。私が肝心なところを聞き逃していたのか、勢いに乗せられて見過ごしていたのか、よくわかりません。
とにかくラストは、東京に夜行バスで着いたときのモノローグを、テンション高く繰り返して唐突に終わる。
十分楽しかったし、おもしろかったです。しかし、こういう芝居って前に見た気がするんですね。
役者がいつも舞台にいる。(出番でない人が、楽屋に引っ込まない。)
舞台の転換も役者がやることで、芝居の中に積極的に取り込んでしまう。
過去の自分を助けに行く物語。
うまくいったり、いかなかったりしていた芝居を昔、具体的にどれといえないけれど,
さんざん見た気がする。
別に、似ていてもいいんです。でも、そんなことが気にならないくらいおもしろいわけではなかったことが、少し残念です。
2012年7月9日月曜日
可児市文化芸術振興財団「高き彼物」
2012年7月5日 14時開演 吉祥寺シアター
作・演出:マキノノゾミ
出演:石丸謙二郎・田中美里・品川徹・金沢映子・酒井高陽・細見大輔・藤村直樹
人生を生きるということに、正面から取り組んで真摯に考える良質な作品。物語の展開は、ユーモラスで涙もあり、ラストはハッピーエンドで終わる。誰も、なんの文句もつけないような芝居でした。私も感動しましたし、泣きました。
ただ一つ気になるのは、ラストの終わり方です。
昔、TVの中継録画で、マキノノゾミ作・演出、森光子主演で「本郷菊富士ホテル」を見ました。大正から戦前にかけて、いろいろな文豪や哲学者、政治活動家が集まった本郷の菊富士ホテルを切り盛りする女将に森光子が扮して好演しました。また、がらっぱちな伊藤野枝を高畑淳子が演じて、印象に残っています。
この芝居のラストも、終戦後、焼けてしまった菊富士ホテルの跡地の屋台に、森光子が現れて再建を誓うというハッピーエンドでした。その時も、このラストは不必要だ、ない方が芝居の印象がより深まると思った記憶があります。
「高き彼物」でも、主人公が昔、高校教師を辞めた理由(宿直室で寝てしまった男子生徒に欲望を覚えて思わずオナニーをしてしまったことを恥じ、その学生を深く傷つけたことを恥じて退職する。)が、娘の婚約者として現れたその生徒により記憶にもないこと、転校の理由も両親の離婚による物であることがわかり、主人公の暗い噂は打ち消されます。また、肝臓癌だとの思い込みも、膵臓炎であるとわかり、ハッピーエンドを迎えます。
しかし、これはハッピーなことでしょうか?
「自分の過ちを自分の物として、自分の一部として生きる。」が、信条の主人公にとって、自分の一部として10何年一緒に生きてきた想いが、一瞬にしてなくなってしまったのです。これは、かなりの不幸だと思うのですが。
作・演出:マキノノゾミ
出演:石丸謙二郎・田中美里・品川徹・金沢映子・酒井高陽・細見大輔・藤村直樹

ただ一つ気になるのは、ラストの終わり方です。
昔、TVの中継録画で、マキノノゾミ作・演出、森光子主演で「本郷菊富士ホテル」を見ました。大正から戦前にかけて、いろいろな文豪や哲学者、政治活動家が集まった本郷の菊富士ホテルを切り盛りする女将に森光子が扮して好演しました。また、がらっぱちな伊藤野枝を高畑淳子が演じて、印象に残っています。
この芝居のラストも、終戦後、焼けてしまった菊富士ホテルの跡地の屋台に、森光子が現れて再建を誓うというハッピーエンドでした。その時も、このラストは不必要だ、ない方が芝居の印象がより深まると思った記憶があります。
「高き彼物」でも、主人公が昔、高校教師を辞めた理由(宿直室で寝てしまった男子生徒に欲望を覚えて思わずオナニーをしてしまったことを恥じ、その学生を深く傷つけたことを恥じて退職する。)が、娘の婚約者として現れたその生徒により記憶にもないこと、転校の理由も両親の離婚による物であることがわかり、主人公の暗い噂は打ち消されます。また、肝臓癌だとの思い込みも、膵臓炎であるとわかり、ハッピーエンドを迎えます。
しかし、これはハッピーなことでしょうか?
「自分の過ちを自分の物として、自分の一部として生きる。」が、信条の主人公にとって、自分の一部として10何年一緒に生きてきた想いが、一瞬にしてなくなってしまったのです。これは、かなりの不幸だと思うのですが。
登録:
投稿 (Atom)