「The Cher Show」を見ました。今年のトニー賞ベストミュージカル主演女優賞を取ったステェファニー・ジェイ・ブロックはアンダースタディに交代していたので、見られませんでしたが、代役のディー・ロッシオリもなかなかの熱演でした。タイトル通りシェールのショー・ステージという括りの中で、若い頃のシェール、全盛期のシェール、現在のレジェンドとしてのシェールという三人のシェールが、それぞれ、もしくは一緒に人生をふり返って行くという構成です。あくまでショー・ステージなので、素早い転換と短い芝居で中だるみしにくいのはよいアイディアだと思いました。
見ながらずっと考えていたことは、「歌の力」と「芝居の力」の違いについてでした。歌には一瞬にして別次元に連れて行ってくれる力があるますが、芝居はそれよりも時間をかけてより広い世界を見せてくれる力だと思います。ミュージカルの中の歌はどうしても芝居に引っ張られて、一瞬にして世界を変える力が弱まってしまう傾向があります。今回のようにショーという枠組みを作ると、なぜか煮え切らない感じがするのはそのせいだと思います。
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