2013年1月8日 19時開演 池袋東京芸術劇場プレイハウス
原作:佐野洋子
脚本:糸井幸之介・成井昭人・中屋敷法仁
演出・振付・美術:インバル・ピント、アブシャロム・ポラック
出演:森山未来・満島ひかり、田口浩正、今井朋彦、石井正則、大貫勇輔、銀粉蝶、藤木孝
BAND : 水野栄治、柳本雅寛、江戸川卍丸、皆川まゆむ、森下真樹、清家悠圭、鈴木美奈子、三東瑠璃
自分へのお年玉として、いつもなら絶対買わない1万円のチケットを購入して見てきました。心の狭い私は、「1万円も出すのだから、ミラクルの一つや二つ見せてみろ。」常々思っているのですが、そんな私でも満足するよい芝居でした。
題名の通り、王様の猫になって戦争で死に、猟師の猫となって海でおぼれて死に、泥棒の猫になって番犬にかまれて死ぬというシンプルなストーリーの繰り返しなんですが、そこにイスラエル人の演出グループの日本人にはない感覚やセンス、動きがいいアクセントとなって退屈することがありません。特に、生きているか死んでいるかわからないおばあさんのシーンでの、背景の家の造形や、動きは日本人では思いつかない感覚で、感心しました。
主演の森山未来も、役が猫だけあって、台詞が少なく、喋っても一言二言がせいぜいというのもよかったと思います。前から、長台詞を喋ると森山未来の「地」が出てくるのが気になっていたのですが、これくらい短い台詞ばかりだと、全く気になりません。幼いことからダンスをしていたせいで、体の動きも切れがよく、ダンサーの動きでもなく、体のよく動く役者とも一線を画す独特なものがあっておもしろかったです。
ラストの白い猫とのラブシーンは、会話がしりとりになっているなどの工夫がされていましたが、二人(森山未来、満島かおり)の感情の盛り上がりがもっと現れていれば、さらによい作品になったのに、結構さらりと終わってしまったのが残念です。
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