2013年1月26日 14時開演 三軒茶屋シアタートラム
作・演出:船岩裕太
出演:田中荘太郎、小瀧万梨子、藤井咲有里、野々山貴之、中村梨奈、岸田研二
周りとの関係を拒否する兄と、過剰なまでに周りとの関係を求めて拒絶される妹の二人を中心に、絶望的にすれ違う人々についての演劇。
一言で言ってみれば、そんなところでしょうか。
小劇場=無勝手流だと思っていた私には、なぜか、とても正統的な芝居に見えました。しかも、日本的な湿ったところがない、欧米の翻訳劇のような乾いた感覚が新鮮でした。複雑に入り組んだ時間と場所が、混乱なく頭に入ってくる演出は見事です。世間には、私の知らない素晴らしい才能が、まだまだいっぱいいるのだと嬉しくなりました。
ラストで、オーストラリアに留学した妹が自販機の前で、「最近、ここでタバコを吸う時が一番落ち着く。」と自殺した兄に語りかけるところは、求められた時だけ(コインをいれた時だけ)、答える(商品を出す)、コミュニケーションにしか安心できないと言う、彼女の絶望に、涙が出そうになりました。
しかし、男優は、全員、かっこよく描かれているのに、女優が全員、ブスに見えるのはなぜでしょう。
早く、次回作が見たいです。
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