2015年6月19日 20時開演 Place Theatre
1951年のジーン・ケリー主演の映画を基に作られたミュージカルで,今年のトニー賞に12部門でノミネートされました。結局、受賞したのは、振付、編曲、装置デザイン、照明デザインの4部門でした。
何しろ主役の二人とも現役のバレー・ダンサーで、男性のリチャード。フェアチャイルドは、ニューヨーク・シティ・バレーのプリンシパル、女性のレニー・コープはロイヤルバレエ団所属なのですから、最初から最後まで踊る、踊る、芝居があって普通なら歌い出すところで、踊り出すという感じです。そのかわり、芝居と歌はそこそこというかんじでしょうか。ダンス好きならたまらない作品と言えるでしょう。ダンスが今ひとつ苦手な私には、純粋なダンス作品よりは見やすかったですが、今ひとつな感じでした。
この作品で特筆すべきは、最近はやりのプロジェクションマッピングの技術の高さです。
単純にプロジェクションするのではなく、わざわざ建物の切り出しパネルに投影して、後ろの空のプロジェクションと遠近感を見せたり、パースの奥の方の絵をボケ気味に暗く映してパース感を補強したりして、プロジェクションマッピングの最大の欠点、どうしても平面的に見えることをうまくカバーしていました。また、主人公が画家なので、プロジェクションの開始をスケッチ風の輪郭線から始めて、次第に色がついてくことで転換時間を持たせる工夫など、トニー賞に選ばれるにふさわしいと思えました。
ただ、ラストの15分にも及ぶバレー・シーンは、ダンスの質は別にして、モンドリアン風の衣装と装置は,今となってはレトロモダンなだけでいかがな物でしょう。映画に習ったなら、仕方がないのかもしれませんが、もう少しやり方があったような気がします。
0 件のコメント:
コメントを投稿