2015年6月15日月曜日

NewYork 2015 No.3 Broadway Musical 「Kinky Boots」

2015年6月13日 14時開演 Al Hirschfeld Theatre
2013年トニー賞:ミュージカル作品賞、オリジナル楽曲賞を受賞
4月の末に、主役のドラッグ・クィーン,ローラ役のビリー・ポーターが戻ってきた「Kinky Boots」を見ました。
ドラッグクィーンとそのエンジェルスが出てくれば、ミュージカルの盛り上げシーンは問題なしという、うまい構成というか、ずるいというか別にして実にうまくできた脚本で,十分楽しめました。
ローラは、いわゆるテレビなどでよく目にする,周りに遠慮しないでずけずけものを言うステレオタイプのオカマではなく、普通に父親との関係に悩み、周りに気を遣う人間として描かれていて、役柄に深みをもたせているところはよく考えられています。
残念なことに、相手役のチャーリーは、恋人との葛藤や、亡くなった父親が自分が靴工場をつがないことを見越して、工場の再開発(コンドミニアムへのリノベーション)に同意していたことのショック、ドラッグクィーン用ブーツを開発することへの工場従業員の反発など、,様々な困難が襲いかかってくるにもかかわらず、金持ちのボンボンにしか見えない線の細さが問題で、ローラとの友情が今ひとつ盛り上がらない原因です。
シンディー・ローパーの楽曲は、オペレッタらしさのすくないポピューラーミュージックにちかいもので聞きやすいのですが、歌う人のエモーションが如実に表れる欠点もあり、エモーショナルでない人が歌うと、R&Bのテンプレート集のように聞こえることがあるのが、残念でした。
ラストでは、ミラノの見本市でモデルが間に合わず、チャーリー自身がスーツ姿に下半身がパンツひとつにブーツを履いてランウエイでよろめいているところに、なぜかローラとエンジェルスが現れて大盛り上がり、挙げ句の果てには、工場従業員全員がブーツを履いてハッピーエンドというお約束のオチとなりました。
それがお寒いシーンにならないところに、脚本のうまさや役者の実力があると思います。
ラストシーンの振付が、パラパラみたいで、日本人には笑えると思います。

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