2014年8月25日月曜日

DULL-COLORED POP「河童」

2014年7月19日 18時開演 吉祥寺シアター
作・演出:谷賢一
出演 : 東谷英人、大原研二、中村梨那、百花亜希、若林えり、天羽尚吾、一色洋平、井上裕明、今村洋一、岩瀨晶子、内田悠一、港谷順、小角まや、澄人、平佐喜子、ドランクザン望、ナカヤマミチコ、浜田えり子、東ゆうこ、山中一美、三津谷亮
今まで2回ほど見た谷賢一の作品は、いずれもシリアスなタッチのものでしたが、今回の作品は打って変わって、コメディタッチというかミュージカルというか、全く変わったできあがりになっていました。芥川龍之介の「河童」を基に、河童独自の合理性から人間の矛盾や、だめなところを浮き彫りにするというのが狙いなんでしょうが、成功していたとは思えませんでした。
当日パンフレットに、「芥川の言葉を使ったのは10パーセント以下で、ほとんど私の創作です。」というようなことが書かれていましたが、それにしては芥川の世界から抜け出ていないのが気になりました。
今ここで、芥川の世界を劇化することに何の意味があるのか?私には全くわかりませんでした。

2014年7月7日月曜日

ハリケーンディスコ「博多アシッド山笠」

2014年7月4日 14時開演 参宮橋トランスミッション
作・演出:江崎穣
出演:三瓶大介、竹岡真悟、帖佐寛徳、澤唯、津波恵、牛水里美、大室光来、為平康規、江崎穣
見た芝居はあまり面白くなかったけれど、チラシだけは毎回面白い「あひるなんちゃら」のチラシで、おすすめされていたので見にいきました。
見てびっくり、あまりの斬新さというか、自由さというか、やりたい放題さ加減にはもう笑うしかありませんでした。まず第一に、BGMやSEが舞台奥に設置されたDJセットから流されるのですが、オペレートするのは役者で、役の中でオペしたり、役と関係なくオペしたりなんの説明のなくオペしていて、唖然とします。転換も明転のなか、手の空いている役者が堂々と出てきて転換する自由さでした。
考えてみれば、大衆演劇ではよくあることかもしれませんが、大衆演劇の場合は、「人手が足りなくてやむをえずやっています。」という恥じらいが感じられるのですが、それも一切ありません。
「細かいことはいいんだよ。俺は俺の言いたいことを言うだけだ。」という姿勢は一貫していて清々しくさえありますが、15年もやってきてこれはいかがなものでしょうか?いっそ、死ぬまでこの姿勢を貫いてもらいたいもの
です。

ハイバイ「おとこたち」

2014年7月3日 19時30分開演 東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:岩井秀人
出演:菅原永二、平原テツ、岡部たかし、用松亮、安藤聖、永井若葉、岩井秀人
2年ぶりのハイバイの新作、「ある女」と同じ系列に連なる、男たちの人生の話でした。仲のよい4人組の男たちの人生が会話やト書きまでも読んでしまうテンポよいスピードで気持ちよく語られていきます。計画通り人生を進めて、それ故、闇を抱えてしまう者や、手軽な成功に溺れて自滅してしまう者など、様々な人生が繰り広げられていきますが、最後は一人ずつ別々にフェードアウトしていきます。今まで芝居で語られることがなかった普通の男の人生が、語られたことだけでも十分意義深いことだと思いますが、その上、面白いのだから言うことはありません。
ラストのヘルパーに介助されながら階段を降りていくシーンは、人間の死に方そのものに思えtw、感傷的にさえなりました。

シンクロ少女「許されざる者」

2014年7月2日 19時30分開演 五反田アトリエヘリコプター
作・演出:名嘉友美
出演:泉政宏、中田麦平、名嘉友美、田中のりこ、菊川朝子
前回見たのが三鷹市芸術文化センター星のホールで、成功していなかったとはいえしっかりセットを組んだ芝居をしたのに、今回はアトリエヘリコプターでどんな芝居をするのかという興味もあって、見にいきました。芝居の内容自体は全くといっていいほど変わっていなくて、ぶれていないと言うことはよくわかりましたが、だからといって面白いかというと、それは別の問題で、私にとっては少しも面白くありませんでした。
名嘉友美は、セックスという切り口から人間関係を見ていくのが好きなようで、よくセックスの話が出てきますが、あくまでも切り口の1つであって、セクシャルな感覚やムードには興味がないようです。それが普通にスケベな私としては、とても残念なところです。

2014年6月22日日曜日

味わい堂々XバジリコFバジオ「怪獣使いの娘たち」

2014年6月21日 14時開演 下北沢駅前劇場
作・演出:佐々木充郭
脚本協力:岸野聡子
出演:三枝貴志、宮本奈津実、浅野千鶴、岸野聡子、田中嘉治郎、イチキ遊子、阿久澤菜々、橋本昭博、石澤美和、浅野康之、今藤茶、堀靖明、横山莉枝子、植田祥平、佐藤有里子、槇平々、小名木美里、キタラタカシ、今福李寛、澤井祐太、長瀬良嗣
小劇場の舞台で時々見かけて気になっていた浅野千鶴が所属する劇団の公演と言うことで、見にいきました。
ストーリーはいわゆるダークファンタジーで、小劇団がやるとしょぼくて見ていられないものになりがちなものでしたが、今回はそんなこともなく面白く見られました。
それは、ほとんど脚本と演出の力だと思います。作・演出の佐々木充郭は初めてでしたが、結構達者で感心しました。
今回は、味わい堂々とバジリコFバジオ野合同公演ということで、全体のバランスがどうなるのかと思っていたのですが、それも杞憂に終わりました。
まず、味わい堂々の3人が3人姉妹問いことで、しっかり関係性を造り、周りともその関係性をたもってあたっていく形を取ることで、スッキリした仕上がりになっていました。
また、三枝貴志の子供っぽい両主役の熱演も光りました。
味わい堂々、バジリコFバジオそれぞれの単独公演も見てみたいです。

ベッド&迷キングス「南の島に雪が降る」

2014年6月17日 19時30分開演 お台場潮風公園内「太陽の広場」特設テント
原作:加東大介
脚本・演出:福原充則
出演:富岡晃一郎、猫背椿、早乙女友貴、円山厚人、久保貫太郎、加瀬澤拓未、畑中実、矢野昌幸、結城洋平、望月綾乃、佐藤銀平、小林顕作
前回見たときには、唐十郎へのオマージュとも思える作風で面白かったベッド&メイキングスが、テント芝居をすると聞いて、さらなる唐十郎的なものを期待して見にいきましたが、ワタシの勝手な思い込みは見事に外れました。
ずいぶん前になくなった俳優の加東大介が書いた実話を基にした芝居で、太平洋戦争中南方の前線で、兵隊たちが慰問のため芝居をするという話でした。
前半は、その実話から取ったのであろう衣装やカツラを造る苦労話に引きずられて、テンポが悪かったのですが、芝居をすることが舞台公認になった後半は、そんな細かいことにこだわらず、テンポよく面白くなってきました。
実際にも仮設の芝居小屋を造ったようで、そこからテント公演という発想はよくわかるのですが、やってみると今までにやり尽くした手法をまた見せられるだけで、あまり感心しませんでした。
実話に引きずられてどこにも到達できないまま、終わってしまった長い3時間でした。

FUKAI PRODUCE 羽衣「耳のトンネル」

2014年6月16日 19時開演 吉祥寺シアター
作・演出:糸井幸之介
出演:深井順子、日高啓介、鯉和鮎美、高橋義和、澤田慎司、伊藤昌子、西田夏奈子、金子岳憲、並木秀介、加藤律、幸田尚子、内田滋、Sun!!、枡野浩一
2012年の「耳のトンネル」の再演です。2年経って、上演時間も休憩を挟んで3時間という大作になっていました。
初めて見たFUKAI PRODUCE 羽衣がこの「耳のトンネル」で、その時は結構気に入って好印象だったのですが、その後何本か見ていく内に、この劇団は広い舞台が苦手なのではないかという気がしてきました。
基本的に人生と愛を讃えるというのがテーマなので、どうしても二人芝居が多くなります。その時舞台が広いと、役者の力量不足とそれを補う演出がほとんどないため、印象が弱くて、見ている方も退屈してしまいます。
モノローグ芝居でもその他大勢が舞台にいれば、そのようなことはないので、脚本の問題と言うよりは、役者の力量、演出の力量の問題だと思います。
そういえば、広い舞台で唯一面白かったシアターイーストの「サロメ VS ヨナカーン」は、いつも大勢の役者が舞台にいました。
本も独特なものがあるし、曲も独特で面白いので、次回も見にいくと思いますが、できれば、アゴラ劇場くらいの広さのところでやっていただきたいものです。

2014年6月20日金曜日

池田鉄洋「BACK STAGE」

2014年6月11日 14時開演 シアタークリエ
作・演出:池田鉄洋
出演:相葉裕樹、植原卓也、新垣里沙、永岡卓也、西ノ園達弘、小野寺大夢、近江谷太朗、鈴木砂羽
昨年の秋、下北沢で見た表現・さわやかの自分がしたいことをするためだけの見事にくだらない芝居を見て、感心した池田鉄洋がなぜかシアタークリエでやるというので、見にいきました。ストーリーは相変わらずくだらないのですが、シアタークリエの普通の観客、中年女性と若手イケメン男優目当てであろう若い女性にもわかりやすく、娘道成寺の鐘の説明なども交えつつ、最後には舞台への愛も叫んで感動を与えたりして、結構バランスのよいところを見せてくれました。
予算があったらやってみたかったであろう盆回しや、ムービングライトの導入など本人も嬉しかったに違いありません。ただ、やっていることの本質はいささかも変わりなく、それが偉いと言えば偉いのですが、だったら、下北で安い料金で見ればよいではないかとも思いました。
日頃、コメディになどやったことがないであろう鈴木砂羽が意外ながんばりで検討していました。

マームとジプシー「ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと----------」

2014年6月10日 19時30分開演 東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:藤田貴大
出演:成田亜佑美、尾野島慎太朗、萩原綾、吉田聡子、川崎ゆり子、伊東茄那、波佐谷聡、斉藤章子、中島広隆、石井亮介、召田実子
マームとジプシーの初期作品の再演のようで、私が初めて見た「ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。」よりも前の作品のようでした。というか、多分、ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。」が、この作品を再構成したもののように思われます。せっとは、「モモノパノラマ」のように、細いmくざいで造った四角形を様々に組み合わせて、家や駅、通りを表していくというおしゃれなものでしたが、そこに表れる感情は結構生々しく、独特のテンポで繰り返されていくうちに、コントロールが効かなくなっているのではないかと思われるところもありました。
この劇団は見るたびに、表現が洗練されてきて新しい地平に到達したのではないかと思っていたのですが、この作品を見て、彼らの初期衝動がどんなものであるか再確認できたような気がします。

ブルドッキングヘッドロック「おい、キミ失格!」

2014年6月7日 19時開演 三鷹市芸術文化センター星のホール
作・演出:喜安浩平
出演:西山宏幸、篠原トオル、永井幸子、岡山誠、川本成、竹井亮介、森谷ふみ、筒井俊作、傳田うに、小園茉奈、竹内健史、小笠原健吉、浦嶋健太、葛堂里奈、鳴海由莉、二見香帆
三鷹市芸術文化センターの「太宰治に関する演劇」シリーズと、ブルドッキングヘッドロックの組み合わせ。いつも一定レベル以上の芝居を提供してきたシリーズであることと、前回見たブルドッキングヘッドロックの公演が、西山宏幸作であり、今回が通常の喜安浩平の作・演出であることから、興味を持って見にいきました。
結果は、全体にテレビのコント的な安易さはあるものの、おもしろいコメディに仕上がっていました。しかし、全体の流れを悪くする部分があり、それが太宰治に関する部分なのは、「太宰治に関する演劇」としては残念でした。太宰に関するパートがない方が上演時間も短くてスッキリした仕上がりになったのに、無理矢理挿入した感がありありで不満が残ります。
通常舞台で使用する方に客席を組み、プロセミアムアーチのところに後ろを隠すように天井までのセットが組まれていて、その後ろに別なセットが隠されている感じがありありだったのですが、いざそのシーンになると、見えていたセットがズーと後ろに下がり、本来客席である広々とした空間が、多田、おっかけっこをするためだけに表れてのでした。いい意味で裏切られて感じは最高でした。

2014年6月11日水曜日

男肉 du Soleil「ロンリーガール &ブギーロボ」

2014年6月7日 13時開演 下北沢シアター711
団長:池浦さだ夢
出演:江坂一平、クリ太マメ男、小石直輝、高坂勝之、ジャングル、城之内コゴロー、すみだ、吉田みるく、酒井善史、伊勢村圭太、和田聖来
前々からダンスを見にいくのに今ひとつ気乗りしないのは、ダンス特有のストイックさに辛くなるからだと思っていたのですが、いざ、そのストイックさのかけらもない公演を見てみるとそのダンスの下手さ加減に嫌気がさし、見てるのが辛いばかりでした。
ストーリーは漫画のようだし、芝居は芝居とは呼べないほどへたくそ。肝心のダンスも、「踊りたい」という熱い気持ちだけはあるようですが、技術がまったくともなっていないので見苦しいだけでした。
何度も途中で出ようと思いましたが、狭い劇場のためその勇気もでず、最後まで見てしまいました。
劇中で観客をあおる台詞、「心が躍れば、それがダンスだ」は素敵ですが、そのダンスが人様にお見せできるものかどうかは、別物だと思います。
ダンスには、ストイックさが必要です。

2014年6月5日木曜日

DULL-COLRED POP「proof / 証明」

2014年5月29日 19時開演 新宿サンモールスタジオ
作:デヴィッド・オーバーン
翻訳・演出:谷賢一
出演:百花亜希、大家仁志、山本匠馬、遠野あすか
連日同じ芝居を見るのもどうかと思ったのですが、スケジュールの都合でやむなくこうなりました。
と思いながら開演を待っていると、後ろの席から、「マチネで風琴工房を見て、夜はここを見る」といっているお客さんがいて、上には上がいるものだとも思いました。
どうしても風琴工房と比べながら見てしまうのですが、風琴に比べるとこちらの方が全体に渋い仕上がりになっていました。しかし、戯曲の力はすごい物で、2回目にもかかわらず飽きることなく見られました。こちらのキャサリンは、自分の才能が認められないことを、少しあきらめて受け入れている少し年上なかんじで、父親はより厳格で、自分にも周りにもより厳しい印象でした。1つ残念なのは、姉役の遠野あすかで、宝塚出身のせいか、台詞のトーンの切替が極端で、一人だけ大劇場で芝居をしているようでした。
私の中では、このDULL-COLRED POPも風琴工房と同じく「正統派演劇の小劇団」の範疇に入るのですが、2本続けて「正統派演劇」を見ると、私が見たいと思っているのはこのような正統派ではないことがよくわかりました。
決して、正統派を否定するものではありませんが、その道の先には、数多くの名優がおり、それに追いつき追い越すには、とても長い年月がかかることは目に見えています。それをわかって、日々精進いくことは立派なことですが、そうではなく今すぐ自分たちの方法論で自分たちのいいたいことを言いたいという、野心や意地が見てみたいのです。
それと出逢うために、名前の知らない小さな劇団を見ているのだと改めて気づかされました。

風琴工房「proof / 証明」

2014年5月28日 19時30分開演 SHIBAURA HOUSE 5階
作:デヴィッド・オーバーン
翻訳・演出:詩森ろば
出演:清水穂奈美、佐藤誓。金丸慎太郎、李千鶴
全面ガラス張りの芝浦の新しいビル(建築設計は妹島和世のようでした)の5階で、そのガラス面を背景に、中庭のようなセットを組んでの公演でした。カーテンは客入れ時から開けてあり、周りのビルや東京タワーが借景で見えている環境です。この芝居のために場所を探し回り、宙に浮いているような不安定な心情にぴったりということでここでの公演となったようです。
まず第一に戯曲がとてもよく書けていて、飽きのこない構成で2時間以上退屈しないで見ることができました。また、主人公のキャサリン役の清水穂奈美が、認められない天才の葛藤を思い切りのよい演技で演じ、それを優しく受け止める父親役の佐藤誓とのバランスもよく好演でした。
秘湯残念なのは、仮設劇場のため、ガラス面にスポットが映り込んでしまい、せっかくの借景がずっと見えづらいままだったと言うことです。
風琴工房は初めて見ましたが、演技、演出の質も高く、私の中では、小劇団ながら「正統派演劇」の王道をいくという感じでした。

イキウメ「関数ドミノ」

2014年5月27日 19時30分開演 三軒茶屋シアタートラム
作・演出:前川知大
出演:安井順平、浜田信也、大窪人衛、森下創、伊勢佳世、吉田蒼、新倉ケンタ、盛隆二、岩本幸子
2012年5月以来のシアタートラムでのイキウメ公演を見ました。その時のブログを読み返してみたら、結構感動したようなことが書いてあったのですが、その後、何本かイキウメを見てくると、その「ミッション」がそれほど優れた作品とは思えなくなってきました。
どうも図書館とか、柱とか作品のテーマというか中心におかれた物が、具体的で実在しているか、簡単にイメージできる物の時はわかりやすくて、今回や「ミッション」の時のように超能力という概念の時には、話がぼやけてわかりにくくなってしまうような気がします。それは私の感受性が鈍いだけなのかもしれませんが、今まで見てきた作品を思い返してみるとそのような気がしてなりません。

2014年5月20日火曜日

清水宏「清水宏の情熱コント大陸」

2014年5月18日 19時開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出・出演:清水宏
INGELプロデュースの「鮫に食われた娘」で、野口かおると互角にやりあったり、KAKUTAの「秘を以て成立とす」でいつも怒っている大工のペルソナをハイテンションで演じて、気になっていた清水宏の単独ライブを見にいきました。
私の中では「役者」に分類されていたのですが、エジンバラのフリンジフェスティバルに毎年出ていたりして、「コメディアン」の活動に軸足を置いているようです。
自分のコントを複数舞台にかけていくのですが、ネタによって出来不出来が激しく、困ってしまうようなネタ「プロレス三本勝負」があるかと思えば、一人芝居のように完成度が高い「ウルトラセブンに告ぐ」があったりで、本人の性格をそのまま表しているかのように、複雑ではちゃめちゃな舞台でした。
特筆すべきは各々のネタの出来不出来ではなく、見終わった後、感動的な大ネタ「ウルトラセブンに告ぐ」の後に、「やる気満々男」として出てきて、わけのわからない小ネタを連発したにもかかわらず、清水宏という男を大好きになっているということです。素直に応援したくなる。また、見にいって大きな声で笑いたくなる。清水宏の人間の魅力に心打たれた一晩でした。


娯楽天国「ゴドーを待ちながら」

2014年5月18日 13時開演 下北沢OFFOFFシアター
作:サミュエル・ベケット
構成・演出:小倉昌之
出演:高畑加寿子、小倉昌之、関口英司、沢井エリカ、角野竜太、戸澤進
今まで見た「ゴドーを待ちながら」の中で自分が思い描く芝居に最も近い上演でした。ただし、それは方向性が近いということで、できあがりは色々と不満があります。
ポイントは、この芝居を喜劇ととらえて台詞を関西弁とし、帽子のやりとりなどのコメディの体芸をはっきりと際ただせた演出にあります。
関西弁にすることで、会話のリズムがはっきりとし、芝居の流れがスムーズになったことは大きな進歩です。また、テンポがよくなったことで要所要所で繰り返される「ゴドーを待つんだ」という台詞の意味がよりはっきりしてきます。ただし、それにたいするエストラゴン(高畑加寿子)の反応は、大げさなだけでいただけませんが。
さて、方向性が私の好みだということになると、次に気になるのはその到達点です。これは、残念ながら納得できるものではありませんでした。作者のサミュエル・ベケットはバスター・キートンとチャップリンのコンビで上演されることを望んでいたといわれていますし、日本でもツービート、星セント・ルイス、コント55号でやったら面白いのではないかといわれたりするように、漫才やコントの芸人が演じた方がよりよい舞台ができるでしょう。要するに演技を見せるのではなく、「素の自分」を見せているような演技が必要とされているのです。そこが、この芝居の面白いところであり、難しいところです。
多分、私の好きな戯曲 No.1であるこの芝居について、長年思っていたことが間違いではなかったことがわかって、嬉しいです。

2014年5月15日木曜日

財団江本純子「じんせい2ねんせい」

2014年5月13日 19時30分開演 下北沢小劇場B1
作・演出:江本純子
出演:佐久間麻由、羽鳥名美子、藻田留理子、鄭亜美、加藤啓、江本純子
2回目の財団江本純子の観劇でした。毛皮族の公演に比べてとんがったところがなく、その分喜楽に見られました。とんがった表現はそれが自分の感性にうまく突き刺さると、その衝撃もひとしおですが、外れた場合「なにやってるんだか。」となってしまいます。前回の毛皮族「ヤバレー、虫の息だぜ」の外れ感は相当なものでした。
主人公のさちこは、30才で自殺したが、なぜか妹の子供として生まれ変わり、何となくその自覚があるという設定で、2回目の人生を生きていく女性です。これがなかなかかわいらしく、生き生きと演じていて好感が持てました。周りの女性陣も結構極端な性格設定でおもしろおかしく好演でした。
はつらつとした女性陣の中で、狂言回し的な役割の江本純子だけが、どんよりした印象だったのが気になります。

2014年5月13日火曜日

砂地「3 crock」

2014寐ん月12日 14時開演 吉祥寺シアター
作・演出:船岩祐太
出演:小野健太郎、野々山貴之、とみやまあゆみ、日下部そう、中村梨那、NIWA、浦川拓海、小瀧万梨子、林愛子、尾崎宇内、高川裕也
河竹黙阿弥の「三人吉三廓初買」を基に現代語訳したような作品。緊張感の途切れない、シリアスで面白い芝居でした。複雑に絡み合う因果法王の下世話なストーリーがみごとに蘇り、現代の不安や消失感の物語になっていました。
ただ1つ気になったのは、その台詞が翻訳調というか台詞を言ってる感満載で、自然さがないところでした。もう少しこなれていればさらに面白くなっていたのにと言う思いが消えません。

快快「へんしん(仮)」

2014年5月10日 19時30分開演 駒場東大前アゴラ劇場
作:北川陽子
演出:快快
出演:大道寺梨乃、野上絹代、山崎皓司
私にはよく理解できない若手女性演劇人を、多少なりとも理解しようとする修行のような観劇も、限界に近づいてきたようです。前回の「6畳間ソーキュート社会」の批判的な印象にもかかわらず、また快快を見にいきました。
前回よりもさらにわけがわかりませんでした。理解不能と言うよりも、やってることが全く面白いと思えません。ゴリラの物まねや、鳴き真似、あれはいったい何だったのでしょう。こうなると、三田後でもいいから、どなたかに解説していただきたいものです。
当面の間、若手女性演劇人の芝居は見ない方が良さそうです。

2014年5月7日水曜日

離風霊船「運命なんてぶっとばせ!」

2014年4月29日 15時開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:大橋泰彦
出演:伊東由美子、松戸俊二、山岸諒子、小林裕忠、橋本直樹、江頭一晃、竹下知雄、瀬戸純哉、柳一至。栗林みーこ、祥子、松延春季、大迫綾乃、沙織、比留間彩理
初めて見たときには「昭和の小劇団」の古き良き雰囲気を今に伝えて面白かったのに、その後の作品は30周年記念公演の2作品は同じ装置で2本やるという企画自体に無理があったし、再演物はノスタルジーしか感じられない低調な物でした。久しぶりの新作と言うことで期待して見にいったのですが、残念な結果に終わってしまいました。
ストーリーは、サスペンスコメディ物でよくある感じだし、何よりも離風霊船の特徴だと思っていた大転換が一つもないところが残念です。
音楽でもそうですが、同時代感が感じられない物はノスタルジーとして語るしかないというのは、真実だと思います。
劇団の歴史に関係なく今を生きているという感性はとても大事です。出なければ、時代を超越できるような強力な個性がなければ、見ていて面白いわけがありません。