2019年1月28日 19時開演 池袋シアターグリーン Box in Box Theatre
作: Jess Winfield,Adam Long,and Daniel Singer
訳:小田島雄志、長谷川仰子
演出: 知念正文
出演:赤星昇一郎、石丸有里子、ちねんまさふみ
劇団鳥獣戯画が17年以上にわたって、飛び飛びロングランと称して断続的に公演を行っている「三人でシェイクスピア」を観ました。300回以上、同じメンバーで上演しているそうで、さすがに手慣れた芝居になっていました。
キャッチフレーズは、「3人で、90分で、シェイクスピアの全37作品を上演する」と言うことですが、頭に「ハムレット」をさらっとやって、途中は演じると言うよりはおもしろおかしく説明するだけです。「真夏の夜の夢」などの喜劇16本はストーリーが皆同じとしてまとめるし、リチャード3世などの歴史劇は王様の形態模写だけで済ますなど。時短の為の工夫が一杯です。
ラストに「ハムレット」を持ってきて、オフェーリアのフロイト的分析と称して客を巻き込んで、イド、エゴ、スーパーエゴをやったりして、終わるという構成でした。
とにかく脚本がよくできています。客を飽きさせないように、しかもしっかり見たという満足感も与えるように、とてもよく考えられています。また、ヒロイン、ジュリエットやオフェーリア、クレオパトラに至るまで、演じるのが怪優赤星昇一郞というのも大きなポイントで、とにかく出てくれば「つかみはオーケー」なのも、大きいです。
やはり恋いったパロディ物は、欧米の方がおもしろいものがあるような気がします。400年以上のシェイクスピアをやり続けてきた、厚みと裾野の広がりのなせる技でしょうか。
2019年1月29日火曜日
2019年1月27日日曜日
CHAiroiPLIN 踊るシェイクスピアII 「TIC-TAC~ハムレット~」
2019年1月26日 13時開演 新大久保東京グローブ座
原作:W.シェイクスピア
振付・構成・演出:スズキ拓朗
出演:●エリザベス・マリー、清水ゆり、ジョディ、ジントク、増田ゆーこ、スズキ拓朗(CHAiroiPLIN )
ゲスト出演:柏木俊彦 、鳥越勇作、NIWA、野坂弘、福島梓、碧さやか、青木萌 、浅井裕子、岡村樹、小川しおり、折浜かじき、、小林らら、鈴木彩乃、多賀栞里、中井沙織、長岡ありさ、ニノ戸新太、葉月娃伊、松下高士、みぞぐちあすみ、森陽菜、伊藤凜音、飯塚 シオン、小口響郁、内山日奈加、白井安美、仲本詩菜、塚越光、吉田裕貴
香取直登(コンドルズ)山本光二郎(コンドルズ)
特別映像出演:近藤良平(コンドルズ)
久しぶりのCHAiroiPLINの公演はシェイクスピアのハムレットでした。歌と映像でストーリーの説明をして、心象風景をダンスで表すという構成でした。後半になるほどシリアスさがまして、いつものCHAiroiPLINの軽やかさが薄くなっていったのが残念です。シリアスになればなるほど、群舞のレベル差が目立ったのも気になりました。
原作:W.シェイクスピア
振付・構成・演出:スズキ拓朗
出演:●エリザベス・マリー、清水ゆり、ジョディ、ジントク、増田ゆーこ、スズキ拓朗(CHAiroiPLIN )
ゲスト出演:柏木俊彦 、鳥越勇作、NIWA、野坂弘、福島梓、碧さやか、青木萌 、浅井裕子、岡村樹、小川しおり、折浜かじき、、小林らら、鈴木彩乃、多賀栞里、中井沙織、長岡ありさ、ニノ戸新太、葉月娃伊、松下高士、みぞぐちあすみ、森陽菜、伊藤凜音、飯塚 シオン、小口響郁、内山日奈加、白井安美、仲本詩菜、塚越光、吉田裕貴
香取直登(コンドルズ)山本光二郎(コンドルズ)
特別映像出演:近藤良平(コンドルズ)
久しぶりのCHAiroiPLINの公演はシェイクスピアのハムレットでした。歌と映像でストーリーの説明をして、心象風景をダンスで表すという構成でした。後半になるほどシリアスさがまして、いつものCHAiroiPLINの軽やかさが薄くなっていったのが残念です。シリアスになればなるほど、群舞のレベル差が目立ったのも気になりました。
2019年1月24日木曜日
コンプソンズ「ぶっ飛ぶ夢をしばらく見ない」
2019年1月23日 19時開演 下北沢OFFOFFシアター
脚本・演出:金子鈴幸
出演:金子鈴幸、星野花菜里、細井準、大宮二郎、宝保里実、鈴木啓佑、つかさ、善長まりも、シオザキ、並木雅浩
つかさと善長まりもはダブルキャスト
久しぶりに自分が理解できる芝居だったので、安心してみられました。理解できたからといって面白かったわけではなく、逆にだめなところが目につきました。もっとも気になったのは、のべつ幕なしに繰り広げられるギャグというか、だじゃれです。いっている本人も自信がないのか、突然早口の大声でだじゃれが挟まります。そのリアクションを受けるまもなく何事もなかったかのように芝居は続いていきます。衝撃的と言えば衝撃的ですが、それが続くと単にうるさいだけのノイズです。脚本に扇子は感じられる野ですが、その扇子を生かす方法を追求する前に、思い切りよく捨ててしまっていることが残念です。物語の多重構造を台詞で説明しすぎだと思います。それを減らせば、スマートに上演時間も短くできると思います。
脚本・演出:金子鈴幸
出演:金子鈴幸、星野花菜里、細井準、大宮二郎、宝保里実、鈴木啓佑、つかさ、善長まりも、シオザキ、並木雅浩
つかさと善長まりもはダブルキャスト
久しぶりに自分が理解できる芝居だったので、安心してみられました。理解できたからといって面白かったわけではなく、逆にだめなところが目につきました。もっとも気になったのは、のべつ幕なしに繰り広げられるギャグというか、だじゃれです。いっている本人も自信がないのか、突然早口の大声でだじゃれが挟まります。そのリアクションを受けるまもなく何事もなかったかのように芝居は続いていきます。衝撃的と言えば衝撃的ですが、それが続くと単にうるさいだけのノイズです。脚本に扇子は感じられる野ですが、その扇子を生かす方法を追求する前に、思い切りよく捨ててしまっていることが残念です。物語の多重構造を台詞で説明しすぎだと思います。それを減らせば、スマートに上演時間も短くできると思います。
2019年1月23日水曜日
どらま館ショーケース 2019
2019年1月21日 15時開演 早稲田どらま館
ゆうめい「粘土ごと」
脚本:池田亮
作・演出・出演・美術:新井秀幸、池田亮、五島ケンノ介、小松大二郎、関彩葉、田中祐希、的場裕美、山﨑洋司
スペースノットブランク「共有するビヘイビア」
演出・出演:小野彩加、古賀友樹、中澤陽
関田育子「柊魚」
作・演出:関田育子
出演:青谷奈津季、黒木小菜美、小久保悠人、長田遼、我妻直弥
様々な芝居をサンプル的にみせていくイベントです。2017年から始まっているそうなので、今回で3回目のはずです。
全体の印象としては、「創作の途中」を見せられている感じです。3本ともオチがないというか、まだまだ成長途中というか、観ていて落ち着きません。
ゆうめい「粘土ごと」は教授のパワーハラスメントを告発している芸大の学生と、告発におびえ酩酊してお漏らしをしてしまう教授を並べることで、観念と実体の位相の差を明らかにして見せたところは面白かったです。
2本目のスペースノットブランク「共有するビヘイビア」は、あるダンスの振付稽古を再現するというかたちで、ダンスと芝居の融合のかたちをかんがえるというような趣旨に見えました。試みとして面白かったし、観ていて退屈するようなところもありませんでしたが、演出の言葉がペダンチックすぎて少々、恥ずかしかったです。
最後の関田育子「柊魚」は、最近観た「新聞家」にも通ずるような、「台詞に付随する動きや感情を極力排除して、言葉を裸にする」試みに見えました。ゆっくりと反復する動きとともに発せられる台詞は、確かに今までとは違った装いを見せます。しかし、私が面白かったのは、時々はさまる急激な動き、「素早く移動する」、「振り向く」といった動きとともに発せられる台詞は、普通に演劇的感情が入ってしまうところでした。
ゆうめい「粘土ごと」
脚本:池田亮
作・演出・出演・美術:新井秀幸、池田亮、五島ケンノ介、小松大二郎、関彩葉、田中祐希、的場裕美、山﨑洋司
スペースノットブランク「共有するビヘイビア」
演出・出演:小野彩加、古賀友樹、中澤陽
関田育子「柊魚」
作・演出:関田育子
出演:青谷奈津季、黒木小菜美、小久保悠人、長田遼、我妻直弥
様々な芝居をサンプル的にみせていくイベントです。2017年から始まっているそうなので、今回で3回目のはずです。
全体の印象としては、「創作の途中」を見せられている感じです。3本ともオチがないというか、まだまだ成長途中というか、観ていて落ち着きません。
ゆうめい「粘土ごと」は教授のパワーハラスメントを告発している芸大の学生と、告発におびえ酩酊してお漏らしをしてしまう教授を並べることで、観念と実体の位相の差を明らかにして見せたところは面白かったです。
2本目のスペースノットブランク「共有するビヘイビア」は、あるダンスの振付稽古を再現するというかたちで、ダンスと芝居の融合のかたちをかんがえるというような趣旨に見えました。試みとして面白かったし、観ていて退屈するようなところもありませんでしたが、演出の言葉がペダンチックすぎて少々、恥ずかしかったです。
最後の関田育子「柊魚」は、最近観た「新聞家」にも通ずるような、「台詞に付随する動きや感情を極力排除して、言葉を裸にする」試みに見えました。ゆっくりと反復する動きとともに発せられる台詞は、確かに今までとは違った装いを見せます。しかし、私が面白かったのは、時々はさまる急激な動き、「素早く移動する」、「振り向く」といった動きとともに発せられる台詞は、普通に演劇的感情が入ってしまうところでした。
2019年1月20日日曜日
Ping Chong’s ドキュメンタリー・シアター Undesirable Elements「生きづらさを抱える人たちの物語」
2019年1月19日 14時開演 東京芸術劇場シアターイースト
脚本:Ping Chong(ピン・チョン)
演出:Ping Chong(ピン・チョン)
出演:岩本陽、大橋ひろえ、JuliaOlson、成田由利子、西村大樹、HARMY
今まで70本以上のドキュメンタリー演劇を作ってきたピン・チョン氏の公演ということで見にいきました。
ドキュメンタリー演劇といえば、何年か前に東京芸術劇場で観たリミニ・プロトコルが構成・演出した「100%東京」という演目がとても面白くて、それがドキュメンタリー演劇を観た最初だと思います。
オーディションで選ばれた6人の「生きづらさを抱えた人」が舞台に登場し、年代順に構成された自分の人生を語っていきます。台詞は慎重に並べられ、飽きないよう、だれないよううに演出されています。また、日本語と英語の字幕、手話通訳、手話で話す演者のためにそれを朗読する通訳までいました。
それで立ち上がってきた6人の人生は確かに感動的で、涙も出ました。
しかし、観ているだけの無責任な観客としては、そこからさらに一歩進めてさらなるドラマが見たいとも思いました。
「100%東京」の時には、それは「今の東京」のイメージでした。それに相当するような物が見たかったです。
脚本:Ping Chong(ピン・チョン)
演出:Ping Chong(ピン・チョン)
出演:岩本陽、大橋ひろえ、JuliaOlson、成田由利子、西村大樹、HARMY
今まで70本以上のドキュメンタリー演劇を作ってきたピン・チョン氏の公演ということで見にいきました。
ドキュメンタリー演劇といえば、何年か前に東京芸術劇場で観たリミニ・プロトコルが構成・演出した「100%東京」という演目がとても面白くて、それがドキュメンタリー演劇を観た最初だと思います。
オーディションで選ばれた6人の「生きづらさを抱えた人」が舞台に登場し、年代順に構成された自分の人生を語っていきます。台詞は慎重に並べられ、飽きないよう、だれないよううに演出されています。また、日本語と英語の字幕、手話通訳、手話で話す演者のためにそれを朗読する通訳までいました。
それで立ち上がってきた6人の人生は確かに感動的で、涙も出ました。
しかし、観ているだけの無責任な観客としては、そこからさらに一歩進めてさらなるドラマが見たいとも思いました。
「100%東京」の時には、それは「今の東京」のイメージでした。それに相当するような物が見たかったです。
Theatre Moments「PANIC/遺すモノ~楢山節考より~」
2019年1月17日 19時開演 上野ストアハウス
『PANIC』マレーシア×日本cast 上演時間約40分 英・中・日 字幕
原作:安部公房
構成・演出:佐川大輔
出演:Rorn Liew、Yiky Chew、Syafiq Syazimと、中原くれあ、佐川大輔
『遺すモノ~楢山節考より~』日本cast 上演時間約60分 英・中 字幕
原作:深沢七郎
構成・演出:佐川大輔
出演:青木まさと、今野健太、関谷美香子、ちょびつき雨宮、豊田可奈子、廣瀬正仁、中原くれあ
『PANIC』マレーシア×日本cast 上演時間約40分 英・中・日 字幕
原作:安部公房
構成・演出:佐川大輔
出演:Rorn Liew、Yiky Chew、Syafiq Syazimと、中原くれあ、佐川大輔
『遺すモノ~楢山節考より~』日本cast 上演時間約60分 英・中 字幕
原作:深沢七郎
構成・演出:佐川大輔
出演:青木まさと、今野健太、関谷美香子、ちょびつき雨宮、豊田可奈子、廣瀬正仁、中原くれあ
劇団Webサイトより引用
2018年12月5日~2019年1月6日
THEATRE MOMENTS初のアジアツアー公演決定!
作品は2013年せんがわ劇場演劇コンクールにてグランプリ・オーディエンス賞・演出賞を受賞した【パニック】。
マレーシアのONZ Productionに招聘され、
マレーシアの俳優3名とTHEATRE MOMENTS主宰の佐川&中原でのコラボ公演!
ツアー地は、クアラルンプール⇒マカオ⇒香港⇒ペナン!
引用終了
アジア4都市でのツアーを受けて、東京凱旋公演としている。
「パニック」は原作を読んだことがないのでどの程度脚色されているかわからないが、極めて寓話性の高い仕上がりになっています。アジアの都市ならどこでも当てはまりそうです。
面白かったのは、使用言語が日本語、英語、中国語、マレーシア語の4言語で、役者が喋った以外の3カ国語の訳が字幕としてでるすが、日本語が喋られていてその意味も理解していても、字幕にでないと「日本語訳がない」一瞬、戸惑ってしまうことでした。字幕込みで芝居だと認識しているようで、いつもは「字幕があると集中できない」と思っていたのに、びっくりしました。
演出は海外進出のお手本のようで、シンプルでわかりやすい台詞と、動きが大きく誰にでも理解できる身振り、手振りを使い、細かいニュアンスを伝えるよりはメインの考え方を伝えるようにできています。
そうなると私がいつも見ている海外進出など考えていない小劇場とは、微妙なラインの差ができて、そこに違和感を感じます。どちらが良い悪いではないのですが、「和」すなわち日本というものを意識的に考えているかどうかの差だと思います。
2019年1月12日土曜日
2018年観劇総括
1月(3本)
12日 ロロ「マジカル肉じゃがファミリーツアー」
17日 福原充則演出「秘密の花園」
31日 泥棒対策ライト「夕暮れメトロノーム」
2月(3本)
6日 青蛾館「宝島」
15日 お布団「アガメムノン」
20日 ハイバイ「ヒッキー・ソトニデテミターノ」
3月(3本)
3日 烏丸ストロークロック『まほろばの景』
9日 ガレキの太鼓「地上10センチ」
15日 Mrs. fictions「再生ミセスフィクションズ2」
4月(3本)
23日 ままごと「ツアー」
25日 梅棒「Shuttered Guy」
25日 CHAiroiPLIN「ERROR」
5月(17本)
10日 Newyork 2018 Vol.6 BERNADETTE PETERS IN HELLO, DOLLY!
11日 Newyork 2018 Vol.8 ESCAPE TO MARGARITAVILLE
12日 Newyork 2018 Vol.9 CINDERELLA BY COMPANY XIV
14日 Newyork 2018 Vol.10 ME AND MY GIRL
15日 Newyork 2018 Vol.12 Dear Evan Hanson
16日 Newyork 2018 Vol.13 COME FROM AWAY
17日 Newyork 2018 Vol.14 Mean Girl
18日 Newyork 2018 Vol.16 CAROUSEL
19日 Newyork 2018 Vol.17 FROZEN
20日 Newyork 2018 Vol.18 The Band's Visit
21日 Newyork 2018 Vol.19 Once On This Island
22日 Newyork 2018 Vol.20 SpongeBob SquarePants Broadway
23日 Newyork 2018 Vol.21 Harry Potter and the Cursed Child Part1 & 2
24日 Newyork 2018 Vol.22 Hamilton
25日 Newyork 2018 Vol.23 My Fair Lady
26日 Newyork 2018 Vol.24 THE BEAST IN THE JUNGLE
27日 Newyork 2018 Vol.25 SWEENEY TODD
6月(7本)
11日 モダンスイマーズ『悲しみよ、消えないでくれ』再演
14日 地点「山山」再演
20日 東葛スポーツ 『12時17分、土浦行き』
20日 モメラス「青い鳥完全版」
21日 地点「忘れる日本人」再演
25日 Serial Number「Next Move」
26日 「スワン666」
7月(6本)
2日 東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『가모메 カルメギ』
2日 Kawai Project 「ウィルを待ちながら──歯もなく目もなく何もなし」
12日 成河一人芝居「フリー・コミティッド FULLY COMMOTED」
17日 劇団献身 『死にたい夜の外伝』
26日 昇悟と純子「Last Scene」
31日 ゲキバカ「Death of a Samurai」
8月(10本)
6日 CHAiroi PLIN 踊る童話「THE GIANT PEACH」
6日 ロロいつ高シリーズvol.6『グッド・モーニング』
9日 イデビアン・クルー「排気口」
10日 阿佐ヶ谷スパイダース「MAKOTO」
14日 したため「文字移植」
15日 NICE STALKER「ロリコンのすべて」
22日 大人の麦茶 第25杯目公演 「おしり筋肉痛」
23日 劇団☆新感線「メタルマクベス Disc1」
27日 入江雅人「ゾンビフェスTHE END OF SUMMER 2018」
28日 ヤリナゲ「みのほど」
9月(1本)
16日 東葛スポーツ「カニ工船」
10月(3本)
4日 ゴールド・アーツ・クラブ「病は気から」
12日 宮部と宮部ら「『お見合い』ーそこに愛はあるのかなー」
25日 かわいいコンビニ店員飯田さん 第7回公演 『 手の平 』
11月(7本)
1日 SPAC「授業」
14日 good Morning No.5「看護婦の部屋~白の魔女~」
14日 good Morning No.5「祝杯ハイウエイ」
18日 長塚圭史演出「セールスマンの死」
26日 ロロいつ高シリーズ vol.7「本がまくらじゃ冬眠できない」
28日 ノゾエ征爾演出「命売ります」
29日 シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.11らまのだ『青いプロペラ』
12月(6本)
4日 うさぎストライプ『空想科学Ⅱ』
6日 城山羊の会「埋める女~私は正しい~」
18日 風姿花伝プロデュース「女中たち」
20日 地点「グッドバイ」
21日 東葛スポーツ「平成のいちばん長い日」
27日 梅棒「超ピカイチ」
2018年の観劇数はBroadway Musical 17本を含めて69本でした。国内に限れば52本と少なくなりました。これは仕事が忙しかったせいもありますが、新しい知らない劇団に対する興味が薄れたことも大きな原因だと思います。新しい劇団を見てもまた見たいと思えるような芝居になかなか出会えない。下手でも面白いと思える芝居がない。というか、へたくそな劇団は少なくなりましたが、だからといって面白い芝居ができるわけでもない、と言うことだと思います。
夏過ぎぐらいまで、個々の芝居の印象メモもほとんど書いてありませんでした。それらの多くは、今では内容も思い出せません。
そんな中で、新規で見て印象に残ったのは、
・烏丸ストロークロック『まほろばの景』
・東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『가모메 カルメギ』
・イデビアン・クルー「排気口」
・宮部と宮部ら「『お見合い』ーそこに愛はあるのかなー」
くらいでしょうか。
特に、宮部純子のくだらなさと不安な表情は心に残りましたし、イデビアン・クルーの振りを信じていないような感じは、梅棒のような情熱を前面に出してくるダンスが好きな私には衝撃的でした。多分、「振りを信じていない」というよりはダンサーのテクニックが素晴らしくて、全員が振付を客観視できているという事だと思うのですが、クールに踊りまくるという事ができるということを教えてくれた舞台でした。
同じダンスのグループで言うと、残念だったのは梅棒でした。今年の2作品はどちらも面白いものではありませんでした。というか、「GLOVER」があまりにも面白い感動的な舞台だったのでそれ以降がつまらなく見えてしまいます。ひょっとしたら「GLOVER」は奇蹟の舞台だったのかもしれません。
2018年の新しい傾向としては、現代演劇の古典の作品を見にいくようになったことがあります。イヨネスコの「授業」、アーサー・ミラーの「セールスマンの死」、ジャン・ジュネの「女中たち」の3本だけですが、何十年も生き残ってきただけの理由がそれぞれの戯曲にあるわけで、それと才能ある演出がうまくかみ合うと面白い舞台ができあがる確率はかなり高いものになります。
12日 ロロ「マジカル肉じゃがファミリーツアー」
17日 福原充則演出「秘密の花園」
31日 泥棒対策ライト「夕暮れメトロノーム」
2月(3本)
6日 青蛾館「宝島」
15日 お布団「アガメムノン」
20日 ハイバイ「ヒッキー・ソトニデテミターノ」
3月(3本)
3日 烏丸ストロークロック『まほろばの景』
9日 ガレキの太鼓「地上10センチ」
15日 Mrs. fictions「再生ミセスフィクションズ2」
4月(3本)
23日 ままごと「ツアー」
25日 梅棒「Shuttered Guy」
25日 CHAiroiPLIN「ERROR」
5月(17本)
10日 Newyork 2018 Vol.6 BERNADETTE PETERS IN HELLO, DOLLY!
11日 Newyork 2018 Vol.8 ESCAPE TO MARGARITAVILLE
12日 Newyork 2018 Vol.9 CINDERELLA BY COMPANY XIV
14日 Newyork 2018 Vol.10 ME AND MY GIRL
15日 Newyork 2018 Vol.12 Dear Evan Hanson
16日 Newyork 2018 Vol.13 COME FROM AWAY
17日 Newyork 2018 Vol.14 Mean Girl
18日 Newyork 2018 Vol.16 CAROUSEL
19日 Newyork 2018 Vol.17 FROZEN
20日 Newyork 2018 Vol.18 The Band's Visit
21日 Newyork 2018 Vol.19 Once On This Island
22日 Newyork 2018 Vol.20 SpongeBob SquarePants Broadway
23日 Newyork 2018 Vol.21 Harry Potter and the Cursed Child Part1 & 2
24日 Newyork 2018 Vol.22 Hamilton
25日 Newyork 2018 Vol.23 My Fair Lady
26日 Newyork 2018 Vol.24 THE BEAST IN THE JUNGLE
27日 Newyork 2018 Vol.25 SWEENEY TODD
6月(7本)
11日 モダンスイマーズ『悲しみよ、消えないでくれ』再演
14日 地点「山山」再演
20日 東葛スポーツ 『12時17分、土浦行き』
20日 モメラス「青い鳥完全版」
21日 地点「忘れる日本人」再演
25日 Serial Number「Next Move」
26日 「スワン666」
7月(6本)
2日 東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『가모메 カルメギ』
2日 Kawai Project 「ウィルを待ちながら──歯もなく目もなく何もなし」
12日 成河一人芝居「フリー・コミティッド FULLY COMMOTED」
17日 劇団献身 『死にたい夜の外伝』
26日 昇悟と純子「Last Scene」
31日 ゲキバカ「Death of a Samurai」
8月(10本)
6日 CHAiroi PLIN 踊る童話「THE GIANT PEACH」
6日 ロロいつ高シリーズvol.6『グッド・モーニング』
9日 イデビアン・クルー「排気口」
10日 阿佐ヶ谷スパイダース「MAKOTO」
14日 したため「文字移植」
15日 NICE STALKER「ロリコンのすべて」
22日 大人の麦茶 第25杯目公演 「おしり筋肉痛」
23日 劇団☆新感線「メタルマクベス Disc1」
27日 入江雅人「ゾンビフェスTHE END OF SUMMER 2018」
28日 ヤリナゲ「みのほど」
9月(1本)
16日 東葛スポーツ「カニ工船」
10月(3本)
4日 ゴールド・アーツ・クラブ「病は気から」
12日 宮部と宮部ら「『お見合い』ーそこに愛はあるのかなー」
25日 かわいいコンビニ店員飯田さん 第7回公演 『 手の平 』
11月(7本)
1日 SPAC「授業」
14日 good Morning No.5「看護婦の部屋~白の魔女~」
14日 good Morning No.5「祝杯ハイウエイ」
18日 長塚圭史演出「セールスマンの死」
26日 ロロいつ高シリーズ vol.7「本がまくらじゃ冬眠できない」
28日 ノゾエ征爾演出「命売ります」
29日 シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.11らまのだ『青いプロペラ』
12月(6本)
4日 うさぎストライプ『空想科学Ⅱ』
6日 城山羊の会「埋める女~私は正しい~」
18日 風姿花伝プロデュース「女中たち」
20日 地点「グッドバイ」
21日 東葛スポーツ「平成のいちばん長い日」
27日 梅棒「超ピカイチ」
2018年の観劇数はBroadway Musical 17本を含めて69本でした。国内に限れば52本と少なくなりました。これは仕事が忙しかったせいもありますが、新しい知らない劇団に対する興味が薄れたことも大きな原因だと思います。新しい劇団を見てもまた見たいと思えるような芝居になかなか出会えない。下手でも面白いと思える芝居がない。というか、へたくそな劇団は少なくなりましたが、だからといって面白い芝居ができるわけでもない、と言うことだと思います。
夏過ぎぐらいまで、個々の芝居の印象メモもほとんど書いてありませんでした。それらの多くは、今では内容も思い出せません。
そんな中で、新規で見て印象に残ったのは、
・烏丸ストロークロック『まほろばの景』
・東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『가모메 カルメギ』
・イデビアン・クルー「排気口」
・宮部と宮部ら「『お見合い』ーそこに愛はあるのかなー」
くらいでしょうか。
特に、宮部純子のくだらなさと不安な表情は心に残りましたし、イデビアン・クルーの振りを信じていないような感じは、梅棒のような情熱を前面に出してくるダンスが好きな私には衝撃的でした。多分、「振りを信じていない」というよりはダンサーのテクニックが素晴らしくて、全員が振付を客観視できているという事だと思うのですが、クールに踊りまくるという事ができるということを教えてくれた舞台でした。
同じダンスのグループで言うと、残念だったのは梅棒でした。今年の2作品はどちらも面白いものではありませんでした。というか、「GLOVER」があまりにも面白い感動的な舞台だったのでそれ以降がつまらなく見えてしまいます。ひょっとしたら「GLOVER」は奇蹟の舞台だったのかもしれません。
2018年の新しい傾向としては、現代演劇の古典の作品を見にいくようになったことがあります。イヨネスコの「授業」、アーサー・ミラーの「セールスマンの死」、ジャン・ジュネの「女中たち」の3本だけですが、何十年も生き残ってきただけの理由がそれぞれの戯曲にあるわけで、それと才能ある演出がうまくかみ合うと面白い舞台ができあがる確率はかなり高いものになります。
コムルナカ「俳優たちの夜」
2019年1月11日 19時30分開演 原宿VACANT
原作:ミハイル・ゾーシチェンコ
出演:石村みか(てがみ座)、遠藤昌宏、大石貴也、近藤彩香(泥棒対策ライト)、桜一花、友野翔太、中井奈々子、野口卓磨、福原冠(範宙遊泳)、松浦佐知子(FMG)、三橋俊平、森一生(阿佐ヶ谷スパイダース)
野口卓磨、近藤彩香、大石貴也の3人の発案から始まった12人の役者、ダンサーの集団創作による公演というのが一番簡単な概要です。
「コムルナカ」というのは、1920年代のソビエト革命により始まった、都市部への爆発的な人口流入に対応する為のシェアハウスのようなもので、それまでのブルジョアのアパートを細かく区切り台所、風呂、トイレなどは共同で使用する生活形態です。
この共同生活を自分たちの集団創作になぞらえて「コムルナカ」と名付けたようです。
ミハイル・ゾーシチェンコはソビエトの風刺作家で、このコムナルカについて多くの短編を書いた作家です。
公演はこのミハイル・ゾーシチェンコの短編を元にした短いシーンと、皆で作ったダンスや詩の朗読を組み合わせた80分ほどのものでした。
嬉々として演じる役者たちを見ながらずっと考えていたのは、「この人たちはどこに向かおうとしていて、どこにいるのだろう」ということです。
その答えは最後の「めんどくさいゲーム」と名付けられたシーンにありました。これは、芝居の稽古の最初によくおこなわれるお互いをよく知るための「順番に指さしながら、相手の名前を呼び合う」という稽古そのものでした。
そのため全体の印象は、「ああ、この人たちは芝居の稽古場にいて、稽古をしている。ミハイル・ゾーシチェンコの短編もエチュードのための題材に過ぎない」というように見えます。全員がとてもリラックスして演じている様や、転換、音響操作、照明操作も役者自身がおこなっているのもその印象を強めます。
嬉しそうに演じている役者たちはとても好感が持てるものでしたが、芝居の稽古だけを金を取って見せられてもなあという想いも捨てきれない一夜でした。
原作:ミハイル・ゾーシチェンコ
出演:石村みか(てがみ座)、遠藤昌宏、大石貴也、近藤彩香(泥棒対策ライト)、桜一花、友野翔太、中井奈々子、野口卓磨、福原冠(範宙遊泳)、松浦佐知子(FMG)、三橋俊平、森一生(阿佐ヶ谷スパイダース)
野口卓磨、近藤彩香、大石貴也の3人の発案から始まった12人の役者、ダンサーの集団創作による公演というのが一番簡単な概要です。
「コムルナカ」というのは、1920年代のソビエト革命により始まった、都市部への爆発的な人口流入に対応する為のシェアハウスのようなもので、それまでのブルジョアのアパートを細かく区切り台所、風呂、トイレなどは共同で使用する生活形態です。
この共同生活を自分たちの集団創作になぞらえて「コムルナカ」と名付けたようです。
ミハイル・ゾーシチェンコはソビエトの風刺作家で、このコムナルカについて多くの短編を書いた作家です。
公演はこのミハイル・ゾーシチェンコの短編を元にした短いシーンと、皆で作ったダンスや詩の朗読を組み合わせた80分ほどのものでした。
嬉々として演じる役者たちを見ながらずっと考えていたのは、「この人たちはどこに向かおうとしていて、どこにいるのだろう」ということです。
その答えは最後の「めんどくさいゲーム」と名付けられたシーンにありました。これは、芝居の稽古の最初によくおこなわれるお互いをよく知るための「順番に指さしながら、相手の名前を呼び合う」という稽古そのものでした。
そのため全体の印象は、「ああ、この人たちは芝居の稽古場にいて、稽古をしている。ミハイル・ゾーシチェンコの短編もエチュードのための題材に過ぎない」というように見えます。全員がとてもリラックスして演じている様や、転換、音響操作、照明操作も役者自身がおこなっているのもその印象を強めます。
嬉しそうに演じている役者たちはとても好感が持てるものでしたが、芝居の稽古だけを金を取って見せられてもなあという想いも捨てきれない一夜でした。
2019年1月7日月曜日
これは演劇ではない This is not the Theater.新聞家「遺影」
2019年1月6日 19時30分開演 こまばアゴラ劇場
作・演出:村社祐太朗
出演:花井瑠奈、横田僚平
プロンプター:内田涼
「これは演劇ではない This is not the Theater.」という挑発的なタイトルに惹かれて、とりあえず時間の合う新聞家を見ました。
二人の俳優が順番にぼそぼそと切れ切れに言葉を発する。その言葉は文章のようでもあり、イメージの羅列のようでもある。ただ、地点のような独自の発声のメソッドがあるようにもみえず、平文に近いと思います。Twittwerなどによると、その内容はある結婚式について語られたものらしいのだが、私の理解できる範囲ではそのような言葉はなかったと思います。全く集中力のない私には、向いていない演目だと言うことはよくわかりました。公演は25分ほどの短いもので、役者の「ありがとうございました」という言葉で唐突に終わります。
その後、質問会という観客からの質問に答える時間が設けられているのですが、そこでの質問を聴いていると驚いたことにこの演目を成立しているものとして全面的に受け入れて、その上でプロンプターの存在、不在とか、小道具のハンドクリームについてとか細かい質問がされていることでした。
私にとっては、何を意図してこのようなかたちでの公演がなされているのか、何を目的としているのか全く理解できませんし、「何がなされているのかわからないが、面白い」とも言いがたい状況でした。
作・演出:村社祐太朗
出演:花井瑠奈、横田僚平
プロンプター:内田涼
「これは演劇ではない This is not the Theater.」という挑発的なタイトルに惹かれて、とりあえず時間の合う新聞家を見ました。
二人の俳優が順番にぼそぼそと切れ切れに言葉を発する。その言葉は文章のようでもあり、イメージの羅列のようでもある。ただ、地点のような独自の発声のメソッドがあるようにもみえず、平文に近いと思います。Twittwerなどによると、その内容はある結婚式について語られたものらしいのだが、私の理解できる範囲ではそのような言葉はなかったと思います。全く集中力のない私には、向いていない演目だと言うことはよくわかりました。公演は25分ほどの短いもので、役者の「ありがとうございました」という言葉で唐突に終わります。
その後、質問会という観客からの質問に答える時間が設けられているのですが、そこでの質問を聴いていると驚いたことにこの演目を成立しているものとして全面的に受け入れて、その上でプロンプターの存在、不在とか、小道具のハンドクリームについてとか細かい質問がされていることでした。
私にとっては、何を意図してこのようなかたちでの公演がなされているのか、何を目的としているのか全く理解できませんし、「何がなされているのかわからないが、面白い」とも言いがたい状況でした。
2018年12月28日金曜日
梅棒「超ピカイチ」
2018年12月27日 14時開演 東京グローブ座
作・総合演出:伊藤 今人【梅棒】
振付・監修:梅棒
出演:梅澤 裕介 鶴野 輝一 遠山 晶司 遠藤 誠 塩野 拓矢
櫻井 竜彦 楢木 和也 天野 一輝 野田 裕貴 [以上、梅棒]
千葉 涼平[w-inds.] 納谷 健[劇団Patch] YOU RYO[Beat Buddy Boi]
suzuyaka[Red Print] 一色 洋平 MOMOCA[LUCIFER]
高見 奈央 上西 隆史[AIRFOOTWORKS/ex. WORLD ORDER] マルコ[NEO-Geisha] 雷太
2017年に六本木ブルーシアターでやった「ピカイチ」の再演です。今回は「全日制」「定時制」のキャストを変えての2本立てでした。初演が面白くなかったので、両方見る気になれず、演出変更しているならより変更幅の大きいだろう「定時制」の方だけ見にいきました。
結果は残念ながら面白くありませんでした。このグループは「ただ踊りたいと言う気持ち」が全面的に見えてこないと、単純なストーリー、漫画チックなキャラクターなどが気になって楽しめません。純粋な情熱をわかりやすく表現するのは難しいことなのかもしれません。
作・総合演出:伊藤 今人【梅棒】
振付・監修:梅棒
出演:梅澤 裕介 鶴野 輝一 遠山 晶司 遠藤 誠 塩野 拓矢
櫻井 竜彦 楢木 和也 天野 一輝 野田 裕貴 [以上、梅棒]
千葉 涼平[w-inds.] 納谷 健[劇団Patch] YOU RYO[Beat Buddy Boi]
suzuyaka[Red Print] 一色 洋平 MOMOCA[LUCIFER]
高見 奈央 上西 隆史[AIRFOOTWORKS/ex. WORLD ORDER] マルコ[NEO-Geisha] 雷太
2017年に六本木ブルーシアターでやった「ピカイチ」の再演です。今回は「全日制」「定時制」のキャストを変えての2本立てでした。初演が面白くなかったので、両方見る気になれず、演出変更しているならより変更幅の大きいだろう「定時制」の方だけ見にいきました。
結果は残念ながら面白くありませんでした。このグループは「ただ踊りたいと言う気持ち」が全面的に見えてこないと、単純なストーリー、漫画チックなキャラクターなどが気になって楽しめません。純粋な情熱をわかりやすく表現するのは難しいことなのかもしれません。
2018年12月22日土曜日
東葛スポーツ「平成のいちばん長い日」
2018年12月21日 20時 3331アーツ千代田 ギャラリーB
構成:金山寿甲
出演:菊池明明(ナイロン100℃)、稲継美保、神谷圭介(テニスコート)、木田(ガクヅケ)、篠原正明(ナカゴー)
構成:金山寿甲
出演:菊池明明(ナイロン100℃)、稲継美保、神谷圭介(テニスコート)、木田(ガクヅケ)、篠原正明(ナカゴー)
仕事が急にキャンセルになったので見にいきました。ラップを全面的に採用して芝居をしていくこの劇団では、第一にラップの技術が下手な役者がいるとそれが気になって、集中できません。今回はそんな気になる役者もおらず、それはよかったのですが、それ以降が行けません。注意力が散漫というか、どこにフォーカスしているのかよくわかりません。
ラップも前回の『12時17分、土浦行き』の中のラップがなぜか登場し、さらに悪いことにそれを言葉で紹介するという有様で、印象が散漫なものになってしまいました。
一応、今回は出演している役者がNHKの「おかあさんといっしょ」の出演者に抜擢されるが、契約の文言のために天皇が亡くなると生で第一回の放送をしなければならなくなるかもしれないと言うことで、あたふたすると言うストーリーらしきものがあるのですが、それ自体が説明的すぎて面白みに欠けました。
ラップも前回の『12時17分、土浦行き』の中のラップがなぜか登場し、さらに悪いことにそれを言葉で紹介するという有様で、印象が散漫なものになってしまいました。
一応、今回は出演している役者がNHKの「おかあさんといっしょ」の出演者に抜擢されるが、契約の文言のために天皇が亡くなると生で第一回の放送をしなければならなくなるかもしれないと言うことで、あたふたすると言うストーリーらしきものがあるのですが、それ自体が説明的すぎて面白みに欠けました。
2018年12月21日金曜日
地点「グッドバイ」
2018年12月20日 19時30分開演 吉祥寺シアター
原作:太宰治
演出:三浦基
音楽:空間現代
出演:安部聡子 石田大 小河原康二 窪田史恵 小林洋平 田中祐気 黒澤あすか
地点と空間現代のコラボレーションを見るのは2015年の「ミステリア・ブッフ」以来2回目です。
今回は空間現代の音楽が全体のテンポをきめ、それにのって役者が台詞を言っていくという構成のため、前回よりも見やすいものでした。
そうなると、今度は空間現代の音楽が地点の芝居にとって本当に必要なのかという疑問が出てきます。イェネリク劇では、音楽が芝居の一部でとして必要不可欠なものであると思えましたが、この芝居ではなくてもいいのではないかと思えます。
原作:太宰治
演出:三浦基
音楽:空間現代
出演:安部聡子 石田大 小河原康二 窪田史恵 小林洋平 田中祐気 黒澤あすか
地点と空間現代のコラボレーションを見るのは2015年の「ミステリア・ブッフ」以来2回目です。
今回は空間現代の音楽が全体のテンポをきめ、それにのって役者が台詞を言っていくという構成のため、前回よりも見やすいものでした。
そうなると、今度は空間現代の音楽が地点の芝居にとって本当に必要なのかという疑問が出てきます。イェネリク劇では、音楽が芝居の一部でとして必要不可欠なものであると思えましたが、この芝居ではなくてもいいのではないかと思えます。
2018年12月19日水曜日
風姿花伝プロデュース「女中たち」
2018年12月18日 14時開演 シアター風姿花伝
脚本:ジャン・ジュネ
翻訳:篠沢秀夫(白水社)
演出:鵜山 仁
出演:中嶋朋子、コトウロレナ、那須佐代子
私にとってはまた古典と呼べるような芝居を見ました。このような芝居を見にいくきになるのも年を取った証拠だと思います。
「女中たち」は遙か昔に竹邑類の演出でスーパーカンパニーが新宿蠍座で上演したのを見た記憶があります。その時は何をやっているのかさっぱりわかりませんでした。
今回はその時よりもはるかに台本に忠実でわかりやすいものでした。(何しろ、スーパーカンパニーの公演は、男だけで女装した女中が5,6人出てきた記憶があります)
完全に病気の不思議ちゃんにしかみえない中嶋朋子と、中年の俗物根性全開の那須佐代子が素晴らしかったです。
ただ一人残念だったのは、女主人役のコトウレナで、ハーフであるという外見に頼っているだけで、芝居がひどすぎます。女中たちとの対比でかろうじて存在が許されるという感じで、彼女がよければさらに面白かっただろうと思えるのに残念です。
脚本:ジャン・ジュネ
翻訳:篠沢秀夫(白水社)
演出:鵜山 仁
出演:中嶋朋子、コトウロレナ、那須佐代子
私にとってはまた古典と呼べるような芝居を見ました。このような芝居を見にいくきになるのも年を取った証拠だと思います。
「女中たち」は遙か昔に竹邑類の演出でスーパーカンパニーが新宿蠍座で上演したのを見た記憶があります。その時は何をやっているのかさっぱりわかりませんでした。
今回はその時よりもはるかに台本に忠実でわかりやすいものでした。(何しろ、スーパーカンパニーの公演は、男だけで女装した女中が5,6人出てきた記憶があります)
完全に病気の不思議ちゃんにしかみえない中嶋朋子と、中年の俗物根性全開の那須佐代子が素晴らしかったです。
ただ一人残念だったのは、女主人役のコトウレナで、ハーフであるという外見に頼っているだけで、芝居がひどすぎます。女中たちとの対比でかろうじて存在が許されるという感じで、彼女がよければさらに面白かっただろうと思えるのに残念です。
2018年12月7日金曜日
城山羊の会「埋める女~私は正しい~」
2018年12月6日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:山内ケンジ
出演:奥田洋平、坂倉奈津子、福井夏、伊島空、岡部たかし、岩谷健司、金谷真由美
山内ケンジは難しい作家だと思います。彼の書きたいことと私の感覚が近いときには「あの山の稜線が崩れていく」や、「トロワグロ」のような面白い芝居ができますが、ずれているとなんとも言いようのないいいとも悪いとも言いにくい芝居が出てきます。
今回はずれている方で、あまり面白くなかったです。今回で城山羊の会はしばらく休業だそうですが、再開したときは面白い芝居が見たいです。
作・演出:山内ケンジ
出演:奥田洋平、坂倉奈津子、福井夏、伊島空、岡部たかし、岩谷健司、金谷真由美
山内ケンジは難しい作家だと思います。彼の書きたいことと私の感覚が近いときには「あの山の稜線が崩れていく」や、「トロワグロ」のような面白い芝居ができますが、ずれているとなんとも言いようのないいいとも悪いとも言いにくい芝居が出てきます。
今回はずれている方で、あまり面白くなかったです。今回で城山羊の会はしばらく休業だそうですが、再開したときは面白い芝居が見たいです。
2018年12月5日水曜日
うさぎストライプ『空想科学Ⅱ』
2018年12月4日 19時30分開演 こまばアゴラ劇場
作・演出:大池容子
出演:斉藤マッチュ(20歳の国)、江花明里(劇団天丼/革命アイドル暴走ちゃん)、高橋義和(FUKAIPRODUCE羽衣)、芝博文、松田文香、松村珠子、木村俊太朗、野村美優、亀山浩史(うさぎストライプ)、小瀧万梨子(うさぎストライプ/青年団)、金澤昭(うさぎストライプ)
行きずりの男と女がホテルで一夜を過ごす。朝起きてみるとなぜか男は頭を斧で割られてしんでいる。その後も、女にだけはその男が見え、話しもすることができる。という、小劇場らしいストーリーで楽しめる芝居でした。主役の斧で頭を割られた男を演じた斉藤マッチュが全体のペースメーカーになって、芝居に間延びしたところがなく、面白かったです。劇団名から鳥公園やワウフラミンゴと同じような芝居をするのかと勝手に思っていたので、いい意味で期待が外れました。
作・演出:大池容子
出演:斉藤マッチュ(20歳の国)、江花明里(劇団天丼/革命アイドル暴走ちゃん)、高橋義和(FUKAIPRODUCE羽衣)、芝博文、松田文香、松村珠子、木村俊太朗、野村美優、亀山浩史(うさぎストライプ)、小瀧万梨子(うさぎストライプ/青年団)、金澤昭(うさぎストライプ)
行きずりの男と女がホテルで一夜を過ごす。朝起きてみるとなぜか男は頭を斧で割られてしんでいる。その後も、女にだけはその男が見え、話しもすることができる。という、小劇場らしいストーリーで楽しめる芝居でした。主役の斧で頭を割られた男を演じた斉藤マッチュが全体のペースメーカーになって、芝居に間延びしたところがなく、面白かったです。劇団名から鳥公園やワウフラミンゴと同じような芝居をするのかと勝手に思っていたので、いい意味で期待が外れました。
2018年11月30日金曜日
シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.11らまのだ『青いプロペラ』
2018年11月29日 19時30分開演 三軒茶屋シアタートラム
作:南出謙吾
演出:森田あや
出演:富川一人(はえぎわ)、田中里衣、林田航平、福永マリカ、今泉舞、斉藤麻衣子、井上幸太郎、猪股俊明
三鷹市芸術文化センター星のホールのネクストジェネレーションのかわいいコンビニ店員飯田さん 第7回公演 『 手の平 』と同じようなテーマ(地方都市の過疎化とコミュニティの変化)、おなじようなリアリズムの演技の芝居でびっくりしました。若手の劇団のでは、このような芝居とテーマが私が知らないだけで、はやっていたりするのでしょうか。
このような社会的な問題を訴えるメディアとして、芝居はもはや向いていないと思いますし、このテーマを介して人間に迫りたいと思っているなら、回りくどいことをしないでダイレクトに迫る方法がいくらでもあると思うのですが、どうなんでしょう。
作:南出謙吾
演出:森田あや
出演:富川一人(はえぎわ)、田中里衣、林田航平、福永マリカ、今泉舞、斉藤麻衣子、井上幸太郎、猪股俊明
三鷹市芸術文化センター星のホールのネクストジェネレーションのかわいいコンビニ店員飯田さん 第7回公演 『 手の平 』と同じようなテーマ(地方都市の過疎化とコミュニティの変化)、おなじようなリアリズムの演技の芝居でびっくりしました。若手の劇団のでは、このような芝居とテーマが私が知らないだけで、はやっていたりするのでしょうか。
このような社会的な問題を訴えるメディアとして、芝居はもはや向いていないと思いますし、このテーマを介して人間に迫りたいと思っているなら、回りくどいことをしないでダイレクトに迫る方法がいくらでもあると思うのですが、どうなんでしょう。
2018年11月29日木曜日
「命売ります」
2018年11月28日 18時30分開演 池袋サンシャイン劇場
原作:三島由紀夫(「命売ります」ちくま文庫)
脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:東啓介、上村海成、馬渕英里何、莉奈、樹里咲穂、家納ジュンコ、市川しんぺー、平田敦子、川上友里、町田水城、ノゾエ征爾、不破万作、温水洋一
原作:三島由紀夫(「命売ります」ちくま文庫)
脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:東啓介、上村海成、馬渕英里何、莉奈、樹里咲穂、家納ジュンコ、市川しんぺー、平田敦子、川上友里、町田水城、ノゾエ征爾、不破万作、温水洋一
長塚圭史、三浦直之と並んで、私の今気になる演出家であるノゾエ征爾の脚本・演出と言うことで、見にいきました。
埼玉ゴールデンクラブでやったモリエールの「病は気から」の時にも感じたのですが、ノゾエ征爾の言葉というのは優しいようで結構癖があるようで、原作の言葉となじんでいない感じがしました。
今回も同じで、三島由紀夫の華麗な台詞に違和感を感じてしまいます。2つの世界が対立するでもなく、ただそこに並んでいる感じがします。
役者では、平田敦子のそこにいるだけで怒っているような肉体が印象的でした。
2018年11月27日火曜日
ロロいつ高シリーズ vol.7「本がまくらじゃ冬眠できない」
2018年11月26日 14時開演 早稲田小劇場どらま館
作・演出:三浦直之
出演:篠崎大悟(ロロ)、島田桃子(ロロ)、大石将弘(ままごと/ナイロン100℃)、端田新菜(ままごと/青年団)
いつ高シリーズも7本目ともなるといつ高ワールドのようなものが形作られて、その回には登場しない人物との人間関係が有形無形に影響して、それが前のことをよく覚えていない私のような頭の悪い客には、閉塞感というか、風通しの悪さとして感じられます。1本目の現実とファンタジーの微妙な間をいくようなさわやかさがなくなっていくのは残念です。
作・演出:三浦直之
出演:篠崎大悟(ロロ)、島田桃子(ロロ)、大石将弘(ままごと/ナイロン100℃)、端田新菜(ままごと/青年団)
いつ高シリーズも7本目ともなるといつ高ワールドのようなものが形作られて、その回には登場しない人物との人間関係が有形無形に影響して、それが前のことをよく覚えていない私のような頭の悪い客には、閉塞感というか、風通しの悪さとして感じられます。1本目の現実とファンタジーの微妙な間をいくようなさわやかさがなくなっていくのは残念です。
2018年11月19日月曜日
「セールスマンの死」
2018年11月18日 14時開演 神奈川芸術劇場ホール
作:アーサー・ミラー
翻訳:徐 賀世子
演出:長塚圭史
出演:風間杜夫、片平なぎさ、山内圭哉。菅原永二、伊達暁、加藤啓、ちすん、加治将樹、菊池明明、川添野愛、青谷優衣、大谷亮介、村田雄浩
アメリカ現代演劇の傑作とされる「セールスマンの死」ですが、もともと第二次世界大戦後の社会構造の変化に押しつぶされていく人間を描いたものだと思います。それを演出の長塚圭史は、主人公を傲慢なまでの自信過剰と、極端な自己連哀との間で不安定に揺れ動く弱い人間として描くことで、人間性の本質に迫る事にチャレンジしました。このチャレンジはある意味成功していて、その副作用として周りの人々、息子たちや妻のあり方をも明確に浮かび上がらせるという結果も得ました。
先日の「授業」もそうですが、古典を今上演することの意義がここにあると思います。
作:アーサー・ミラー
翻訳:徐 賀世子
演出:長塚圭史
出演:風間杜夫、片平なぎさ、山内圭哉。菅原永二、伊達暁、加藤啓、ちすん、加治将樹、菊池明明、川添野愛、青谷優衣、大谷亮介、村田雄浩
アメリカ現代演劇の傑作とされる「セールスマンの死」ですが、もともと第二次世界大戦後の社会構造の変化に押しつぶされていく人間を描いたものだと思います。それを演出の長塚圭史は、主人公を傲慢なまでの自信過剰と、極端な自己連哀との間で不安定に揺れ動く弱い人間として描くことで、人間性の本質に迫る事にチャレンジしました。このチャレンジはある意味成功していて、その副作用として周りの人々、息子たちや妻のあり方をも明確に浮かび上がらせるという結果も得ました。
先日の「授業」もそうですが、古典を今上演することの意義がここにあると思います。
2018年11月15日木曜日
good Morning No.5「祝杯ハイウエイ」
2018年11月14日 19時30分開演 下北沢駅前劇場
作・演出:澤田育子
音楽:金子隆博
出演:藤田記子、澤田育子、中村 中、鳥越裕貴、小椋あずき、千代田信一、久保田南美、野口裕樹、石田周作、藤沢大悟、田村優依、チカナガチサト、清水宏、MINAKO(米米CLUB)
やりたいことをポジティブに完遂するとこんなに芝居が面白くなると言う見本のような芝居でした。あの狭い駅前劇場を車で暴走すると言うことを、オモチャとはいえ10台以上の車を舞台に乗せて実現した、それだけで十分面白い芝居でした。
作・演出:澤田育子
音楽:金子隆博
出演:藤田記子、澤田育子、中村 中、鳥越裕貴、小椋あずき、千代田信一、久保田南美、野口裕樹、石田周作、藤沢大悟、田村優依、チカナガチサト、清水宏、MINAKO(米米CLUB)
やりたいことをポジティブに完遂するとこんなに芝居が面白くなると言う見本のような芝居でした。あの狭い駅前劇場を車で暴走すると言うことを、オモチャとはいえ10台以上の車を舞台に乗せて実現した、それだけで十分面白い芝居でした。
good Morning No.5「看護婦の部屋~白の魔女~」
2018年11月14日 16時開演 下北沢駅前劇場
脚本:井上ひさし 脚色・構成・演出:澤田育子
音楽:金子隆博
出演:藤田記子、澤田育子、中村 中、鳥越裕貴、小椋あずき、千代田信一、久保田南美、野口裕樹、石田周作、藤沢大悟、田村優依、チカナガチサト、清水宏、MINAKO(米米CLUB)
井上ひさしがストリップ劇場フランス座にいたときに書いた脚本を、多分忠実に再現したと思われる芝居でした。ただし、生身のおっぱいが出てくるわけでもないので、陳腐なストーリーとへたくそな演技であまり面白いモノではありませんでした。この芝居で特筆すべきは、主役の婦長をやった清水宏です。あの人の芝居の熱量と汗の量はやはり尋常ではないものがあります。
自身の主戦場であるスタンダップコメディでは、ただひたすら燃えまくるだけで客が取り残され、ただ唖然とみているという状態になることがしばしばありますが、芝居のストーリーの中に組み込まれ、他者の演出で演技していると、あの人の怪物感がより良くわかります。それが芝居にうまく合うと芝居の面白さが倍増しますし、合わなくても清水宏のインパクトだけは印象に残ります。
脚本:井上ひさし 脚色・構成・演出:澤田育子
音楽:金子隆博
出演:藤田記子、澤田育子、中村 中、鳥越裕貴、小椋あずき、千代田信一、久保田南美、野口裕樹、石田周作、藤沢大悟、田村優依、チカナガチサト、清水宏、MINAKO(米米CLUB)
井上ひさしがストリップ劇場フランス座にいたときに書いた脚本を、多分忠実に再現したと思われる芝居でした。ただし、生身のおっぱいが出てくるわけでもないので、陳腐なストーリーとへたくそな演技であまり面白いモノではありませんでした。この芝居で特筆すべきは、主役の婦長をやった清水宏です。あの人の芝居の熱量と汗の量はやはり尋常ではないものがあります。
自身の主戦場であるスタンダップコメディでは、ただひたすら燃えまくるだけで客が取り残され、ただ唖然とみているという状態になることがしばしばありますが、芝居のストーリーの中に組み込まれ、他者の演出で演技していると、あの人の怪物感がより良くわかります。それが芝居にうまく合うと芝居の面白さが倍増しますし、合わなくても清水宏のインパクトだけは印象に残ります。
2018年11月2日金曜日
SPAC「授業」
2018年11月1日 13時30分開演 静岡芸術劇場
作: ウジェーヌ・イヨネスコ
翻訳: 安堂信也、木村光一
演出: 西 悟志
共同演出: 菊川朝子
出演:貴島 豪、野口俊丞、布施安寿香、渡辺敬彦
池田有希子とチョウソンハの二人でやった「マクベス」で非常に面白い演出をした西悟志が演出するということを知り、急遽静岡まで見にいきました。
不条理劇の傑作とされるこの芝居は、個人授業を受けに来た女生徒を教授が怒り心頭に発してメタメタにするという話ですが、西はまず教授を性格別に3人の役者に振り分けて演じさせることで、ただひたすらに罵倒されるサンドバックのようだった女生徒にしっかりした人格を与え、主体的な人間にしました。また、女中の役を舞台監督にすることにより、教授の振る舞いを客観的に見る視点を導入しました。
これにより、「授業」は新しい芝居に生まれ変わったと言えるでしょう。
作: ウジェーヌ・イヨネスコ
翻訳: 安堂信也、木村光一
演出: 西 悟志
共同演出: 菊川朝子
出演:貴島 豪、野口俊丞、布施安寿香、渡辺敬彦
池田有希子とチョウソンハの二人でやった「マクベス」で非常に面白い演出をした西悟志が演出するということを知り、急遽静岡まで見にいきました。
不条理劇の傑作とされるこの芝居は、個人授業を受けに来た女生徒を教授が怒り心頭に発してメタメタにするという話ですが、西はまず教授を性格別に3人の役者に振り分けて演じさせることで、ただひたすらに罵倒されるサンドバックのようだった女生徒にしっかりした人格を与え、主体的な人間にしました。また、女中の役を舞台監督にすることにより、教授の振る舞いを客観的に見る視点を導入しました。
これにより、「授業」は新しい芝居に生まれ変わったと言えるでしょう。
2018年10月26日金曜日
かわいいコンビニ店員飯田さん 第7回公演 『 手の平 』
2018年10月25日 19時30分開演 三鷹市芸術文化センター星のホール
作・演出:池内 風
出演:青木友哉(MU)、荻野祐輔(東京エスカルゴ。)、工藤さや(カムヰヤッセン)、小林 樹(カムヰヤッセン)、高川裕也、辻 響平(かわいいコンビニ店員飯田さん)、永宝千晶(文学座)、若松武史
えっと驚くほどのリアリズムで芝居が進行していきます。地方都市の道路再開発に直面し立ち退きを迫られる電気屋の主人と、わざわざ東京からUターンして役所に就職し、立ち退き交渉にあたる息子を巡る物語です。なぜ、今そのようなストーリーをリアリズムでやらなければならないのか、意味がよくわかりません。最終的に息子が役所を辞め、新しいコミュニティの拠点を作るべく民宿を始める計画を話し、周囲の賛同を得るのですが、それを芝居にする意味もよくわかりません。
セットも電気屋の居間のリアルな一杯セットなのですが、息子のマンションのシーンはソファ周りのサス処理、役所での上司との会話シーンは縁側の前でサス処理となり、そこに行く経過説明もなく、芝居の質も変わらないので、違和感が残ります。
三鷹芸術市民センターが毎年やっている「ネクストジェネレーション」という若い劇団を紹介するシリーズの1つとして、このような芝居が選ばれたことが驚きでした。
作・演出:池内 風
出演:青木友哉(MU)、荻野祐輔(東京エスカルゴ。)、工藤さや(カムヰヤッセン)、小林 樹(カムヰヤッセン)、高川裕也、辻 響平(かわいいコンビニ店員飯田さん)、永宝千晶(文学座)、若松武史
えっと驚くほどのリアリズムで芝居が進行していきます。地方都市の道路再開発に直面し立ち退きを迫られる電気屋の主人と、わざわざ東京からUターンして役所に就職し、立ち退き交渉にあたる息子を巡る物語です。なぜ、今そのようなストーリーをリアリズムでやらなければならないのか、意味がよくわかりません。最終的に息子が役所を辞め、新しいコミュニティの拠点を作るべく民宿を始める計画を話し、周囲の賛同を得るのですが、それを芝居にする意味もよくわかりません。
セットも電気屋の居間のリアルな一杯セットなのですが、息子のマンションのシーンはソファ周りのサス処理、役所での上司との会話シーンは縁側の前でサス処理となり、そこに行く経過説明もなく、芝居の質も変わらないので、違和感が残ります。
三鷹芸術市民センターが毎年やっている「ネクストジェネレーション」という若い劇団を紹介するシリーズの1つとして、このような芝居が選ばれたことが驚きでした。
2018年10月14日日曜日
宮部と宮部ら「『お見合い』ーそこに愛はあるのかなー」
2018年10月12日 19時30分開演 新宿眼科画廊スペースO
作・演出:宮部純子
出演:宮部純子、山村麻由美、小田原直也、西田麻耶、黒田大輔
作・演出:宮部純子
出演:宮部純子、山村麻由美、小田原直也、西田麻耶、黒田大輔
舞台上の挙動不審者、宮部純子による作・演出の公演。実際に自分が体験したお見合いを元にしているらしい。これが予想よりもかなり面白かった。
宮部純子はいつも舞台上で不安そうである。「私はここにいてよいのか?」「台詞をわすれたらどうしよう」とかいつも心配しているように、おどおどして見える。そこがよいのだが。
今回も前半のうまくいかなかったぎこちない会話のお見合いも、そのリベンジとしてのぞんだ妄想の居酒屋のお見合いでも、その不安さが芝居を支えていたような気がする。
あと、顔芸がすごい。お見合いのリベンジを言い出すまでの顔の変化がこの世の者とは思えないほどすごかった。
ゴールド・アーツ・クラブ「病は気から」
2018年10月4日 15時開演 埼玉芸術劇場大ホール
原作:モリエール
脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:ゴールド・アーツ・クラブ(太陽組)
ゲストキャスト:岡田 正、飯田邦博、井内ミワク、竹口龍茶、富川一人、成田亜佑美、岩坪成美、坂辺一海、井上夕貴、髙橋英希
原作:モリエール
脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:ゴールド・アーツ・クラブ(太陽組)
ゲストキャスト:岡田 正、飯田邦博、井内ミワク、竹口龍茶、富川一人、成田亜佑美、岩坪成美、坂辺一海、井上夕貴、髙橋英希
〈1万人のゴールド・シアター2016〉から派生した、60歳以上のための芸術クラブ活動 〈ゴールド・アーツ・クラブ〉の第一回公演。
良くも悪くのジジイとババアの学芸会、それ以下でもそれ以上でもない。ただ子供は演技をしようとして台詞を言うわけではなく、それがよいところだが、ジジイとババアは何十年も生きてきてなまじ知恵があるだけに芝居をしようとする。それが見ていて煩わしい。
よって、「病は気から」の本編部分はほとんど見ていて恥ずかしくなるだけだ。演出のノゾエ征爾が付け加えた自分の言葉で話す部分は、素直に心に入ってくる。ほとんど、結婚年数と、相手への感謝の言葉だけだが。
学芸会なので知り合いが多数見に来るわけだが、何しろ出演者が多いので(多分、400人弱)、「誰々さんはあそこかしら。メイクしてるからわかりにくいわ。」と、客席が常にうるさい。自分のように演劇的な関心で見に来た者の法が少数派な感じだ。
2018年9月17日月曜日
東葛スポーツ「カニ工船」
2018年9月16日 18時開演 浅草九劇
構成:金山寿甲
出演:長井短、宮部純子(五反田団)、森本華(ロロ)、椎橋綾那、川﨑麻里子(ナカゴー)、板橋駿谷(ロロ)、森一生(阿佐ヶ谷スパイダース)、玉田真也(玉田企画)
構成:金山寿甲
出演:長井短、宮部純子(五反田団)、森本華(ロロ)、椎橋綾那、川﨑麻里子(ナカゴー)、板橋駿谷(ロロ)、森一生(阿佐ヶ谷スパイダース)、玉田真也(玉田企画)
客入れ中に流れる映像は、山村聡初監督作品の「蟹工船」、1953年の発表で今見ると古くさい、左翼臭満載のプロパガンダにしか見えない。
オープニングは、なぜか役者が蟹網をひくという状況のなか、漁猟長の板橋駿谷が客のキャンセル、青年団や、小劇場の現状をディスりまくるというもので、板橋のパワーで押し切って面白い物でした。
本編にはいると、話はピースボートで世界一周の旅に出るという設定で、カンボジア、シリア、ブラジルなどを回ります。
珍しくストーリーのような物があります。
しかし、役者のラップのリズム感が悪くて、切れがありません。何度も出演していてそこそこできるはずの森本華もぱっとしません。
今回は全員がワイヤレスマイクで、ケーブルの絡みを気にすることもなく集中できるはずなのに、盛り上がりに欠けます。
機材の向上が芝居の質の向上に必ずしも貢献しないという典型的な例でした。
2018年8月29日水曜日
ヤリナゲ「みのほど」
2018年8月28日 19時30分開演 三鷹市芸術文化センター星のホール
作:越 寛生
構成・演出:(劇)ヤリナゲ
出演:阿岐之将一、秋本雄基(アナログスイッチ)、浅見臣樹((劇)ヤリナゲ)、大田彩寧(しあわせ学級崩壊)、Q本かよ、小寺悠介(青年団)、小林義典(クロムモリブデン)、澤原剛生(劇団普通)、塩原俊之(アガリスクエンターテイメント)、田久保柚香、田中健介(しあわせ学級崩壊)、豊田可奈子、中山まりあ
三鷹市芸術文化センター WEBサイトより引用。
<お客様へ>
(劇)ヤリナゲ『みのほど』は昨日、8月24日(金)に幕を開けました。
8月18日(土)の発表のとおり、越寛生さんは病気で演出を担うことができなくなったため、本作品は、構成・演出:(劇)ヤリナゲとして上演をしております。今回の『みのほど』は、越さんの執筆時の構想、集めた資料、また過去の越さんの短編作品を中心に、構成し創作した作品です。
なお、上記のような構成に変更されたことと、越さんの不在により、相談のうえ、國吉咲貴さん、三澤さきさんは出演を辞退されることになりました。本公演は國吉さん、三澤さんの代役は立てずに13人で上演しております。
今回の國吉咲貴さん、三澤さきさんの決断は、作品や創作へ向き合う誠実な姿勢であり、お二人に非のある行動ではありません。
越寛生演出による新作本公演『みのほど』を心待ちにしてくださった皆様、また國吉さん・三澤さんの出演を楽しみにしてくださった皆様には深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありません。
公演は9/2(日)まで続きます。出演者・スタッフ一同、誠心誠意最後まで創作を続けてまいります。
より多くのお客様に現在の(劇)ヤリナゲの作品をご覧いただけますと幸いです。ぜひ劇場に足をお運びくださいませ。
2018年8月25日
公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団
(劇)ヤリナゲ
引用終了
同様の内容のメールが事前に届きました。払い戻しにも応じるとのことでした。
私はヤリナゲの芝居を見たことがなかったので、作・演出家の不在がどの程度の影響を与える劇団なのかもわからないので、そのまま、見ることにしました。ただ、作・演出家の不在にともない二人の役者が出演を辞退したという事実からして、うまくいかないだろうと覚悟はしました。
結果は案の定、久しぶりに見た「頭でっかちな学生演劇」そのものでした。
内容は、過去の作品のシーンをコラージュして一本の作品にし、作・演出家の言いたいことを表現しようする、その試行錯誤の課程も含めて舞台にのせるというものでした。
まあ、今時なら誰でも考えつきそうプランですが、やり方によっては面白くなるかもしれないプランだと思います。
ただ、それを素直だけが取り柄の役者だけでやると、見るも無惨な「学生演劇」になるという見本みたいでした。
やはり、性根の曲がったひねくれた頑固者である演出家の(よく言えば、客観性のある)存在が不可欠なのだと、再確認しました。
作:越 寛生
構成・演出:(劇)ヤリナゲ
出演:阿岐之将一、秋本雄基(アナログスイッチ)、浅見臣樹((劇)ヤリナゲ)、大田彩寧(しあわせ学級崩壊)、Q本かよ、小寺悠介(青年団)、小林義典(クロムモリブデン)、澤原剛生(劇団普通)、塩原俊之(アガリスクエンターテイメント)、田久保柚香、田中健介(しあわせ学級崩壊)、豊田可奈子、中山まりあ
三鷹市芸術文化センター WEBサイトより引用。
<お客様へ>
(劇)ヤリナゲ『みのほど』は昨日、8月24日(金)に幕を開けました。
8月18日(土)の発表のとおり、越寛生さんは病気で演出を担うことができなくなったため、本作品は、構成・演出:(劇)ヤリナゲとして上演をしております。今回の『みのほど』は、越さんの執筆時の構想、集めた資料、また過去の越さんの短編作品を中心に、構成し創作した作品です。
なお、上記のような構成に変更されたことと、越さんの不在により、相談のうえ、國吉咲貴さん、三澤さきさんは出演を辞退されることになりました。本公演は國吉さん、三澤さんの代役は立てずに13人で上演しております。
今回の國吉咲貴さん、三澤さきさんの決断は、作品や創作へ向き合う誠実な姿勢であり、お二人に非のある行動ではありません。
越寛生演出による新作本公演『みのほど』を心待ちにしてくださった皆様、また國吉さん・三澤さんの出演を楽しみにしてくださった皆様には深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありません。
公演は9/2(日)まで続きます。出演者・スタッフ一同、誠心誠意最後まで創作を続けてまいります。
より多くのお客様に現在の(劇)ヤリナゲの作品をご覧いただけますと幸いです。ぜひ劇場に足をお運びくださいませ。
2018年8月25日
公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団
(劇)ヤリナゲ
引用終了
同様の内容のメールが事前に届きました。払い戻しにも応じるとのことでした。
私はヤリナゲの芝居を見たことがなかったので、作・演出家の不在がどの程度の影響を与える劇団なのかもわからないので、そのまま、見ることにしました。ただ、作・演出家の不在にともない二人の役者が出演を辞退したという事実からして、うまくいかないだろうと覚悟はしました。
結果は案の定、久しぶりに見た「頭でっかちな学生演劇」そのものでした。
内容は、過去の作品のシーンをコラージュして一本の作品にし、作・演出家の言いたいことを表現しようする、その試行錯誤の課程も含めて舞台にのせるというものでした。
まあ、今時なら誰でも考えつきそうプランですが、やり方によっては面白くなるかもしれないプランだと思います。
ただ、それを素直だけが取り柄の役者だけでやると、見るも無惨な「学生演劇」になるという見本みたいでした。
やはり、性根の曲がったひねくれた頑固者である演出家の(よく言えば、客観性のある)存在が不可欠なのだと、再確認しました。
2018年8月28日火曜日
2018年8月24日金曜日
劇団☆新感線「メタルマクベス Disc1」
2018年8月23日 18時開演 豊洲ステージアラウンド東京
原作:ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より
作:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
音楽:岡崎 司
振付&ステージング:川崎悦子
出演:橋本さとし、濱田めぐみ、松下優也、山口馬木也、猫背 椿、粟根まこと、植本純米、橋本じゅん、西岡德馬、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、村木 仁、冠 徹弥、富川一人、小沢道成、穴沢裕介、Erica、見目真菜、齋藤志野、鈴木智久、鈴木奈苗、橋本奈美、原 慎一郎、山崎朱菜、山﨑翔太、米花剛史、渡辺翔史、藤家 剛、工藤孝裕、菊地雄人、熊倉 功、あきつ来野良、横田 遼、北川裕貴、紀國谷亮輔
原作:ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より
作:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
音楽:岡崎 司
振付&ステージング:川崎悦子
出演:橋本さとし、濱田めぐみ、松下優也、山口馬木也、猫背 椿、粟根まこと、植本純米、橋本じゅん、西岡德馬、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、村木 仁、冠 徹弥、富川一人、小沢道成、穴沢裕介、Erica、見目真菜、齋藤志野、鈴木智久、鈴木奈苗、橋本奈美、原 慎一郎、山崎朱菜、山﨑翔太、米花剛史、渡辺翔史、藤家 剛、工藤孝裕、菊地雄人、熊倉 功、あきつ来野良、横田 遼、北川裕貴、紀國谷亮輔
2018年8月23日木曜日
大人の麦茶 第25杯目公演 「おしり筋肉痛」
2018年8月22日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:塩田泰造
出演:池田稔(Wキャスト)、 中神一保(Wキャスト)、 並木秀介、 宮原奨伍 、 岩田有弘 、 辻久三、 佐藤大介 、 宮寺貴也、 浅田光 、 清水佐紀 、 江田恵(ソラカメ)、 石井杏奈(演劇女子部) 、 松田かほり、 和泉宗兵
作・演出の塩田泰造の骨折事故により、約1年前に上演した作品を再演することにしたようです。再演にあたり、演出家によるチェックはほとんどできなかったようで、前半は新しく付け加えたのであろうギャグが浮きまくって、耳障りでした。ギャグが身を潜めた後半は、ストーリーの展開に身をゆだねることができましたが、ご都合主義な設定、STAP細胞事件を思わせる女性科学者が陰のオーナーである小学校を改造した宿泊施設や、他人の腸内フローラを飲むとその人の性格になるなどを押し流していくほどの熱量はなく、なんだか適当なエンディングだなあという感想だけが残ります。
やはり、演出の必要性は高いです。
(この文章は、同じく演出家不在の公演をおこなった劇団ヤリナゲの公演を見て追加しました。)
作・演出:塩田泰造
出演:池田稔(Wキャスト)、 中神一保(Wキャスト)、 並木秀介、 宮原奨伍 、 岩田有弘 、 辻久三、 佐藤大介 、 宮寺貴也、 浅田光 、 清水佐紀 、 江田恵(ソラカメ)、 石井杏奈(演劇女子部) 、 松田かほり、 和泉宗兵
作・演出の塩田泰造の骨折事故により、約1年前に上演した作品を再演することにしたようです。再演にあたり、演出家によるチェックはほとんどできなかったようで、前半は新しく付け加えたのであろうギャグが浮きまくって、耳障りでした。ギャグが身を潜めた後半は、ストーリーの展開に身をゆだねることができましたが、ご都合主義な設定、STAP細胞事件を思わせる女性科学者が陰のオーナーである小学校を改造した宿泊施設や、他人の腸内フローラを飲むとその人の性格になるなどを押し流していくほどの熱量はなく、なんだか適当なエンディングだなあという感想だけが残ります。
やはり、演出の必要性は高いです。
(この文章は、同じく演出家不在の公演をおこなった劇団ヤリナゲの公演を見て追加しました。)
2018年8月16日木曜日
NICE STALKER「ロリコンのすべて」
2018年8月15日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:イトウシンタロウ
出演:帯金ゆかり、フジタマコト、藤本紗也香、山本光、佛淵和哉、白勢未生(箱庭円舞曲)、南米仁、善雄善雄(ゴジゲン)、宮武佳央(劇団ハーベスト)
作・演出:イトウシンタロウ
出演:帯金ゆかり、フジタマコト、藤本紗也香、山本光、佛淵和哉、白勢未生(箱庭円舞曲)、南米仁、善雄善雄(ゴジゲン)、宮武佳央(劇団ハーベスト)
2018年8月11日土曜日
阿佐ヶ谷スパイダース「MAKOTO」
2018年8月10日 19時開演 吉祥寺シアター
作・演出:長塚圭史
出演:中村まこと、大久保祥太郎、木村美月、坂本慶介、志甫真弓子、伊達暁、ちすん、
長塚圭史、中山祐一朗、藤間爽子、森一生、李千鶴
再劇団化した阿佐ヶ谷スパイダースを初めて見ました。以前の阿佐ヶ谷スパイダースはTVで舞台中継を見た程度なので、前と比べてどうのこうのという感想はありません。全体の印象は、作・演出の無茶ぶりを主演の中村まことが一人で演技で跳ね返して芝居を成立させている、中村まこと、エライ。というところです。
時々、台詞が唐十郎的な過剰な叙情性を帯びるところがありますが、その後はそれを打ち消すような素っ気ない台詞が続きます。あたかも無意識に書いてしまった唐的な台詞にびっくりして、慌てて打ち消しているような感じでした。
唐的な叙情性の影響の大きさを感じました。
作・演出:長塚圭史
出演:中村まこと、大久保祥太郎、木村美月、坂本慶介、志甫真弓子、伊達暁、ちすん、
長塚圭史、中山祐一朗、藤間爽子、森一生、李千鶴
再劇団化した阿佐ヶ谷スパイダースを初めて見ました。以前の阿佐ヶ谷スパイダースはTVで舞台中継を見た程度なので、前と比べてどうのこうのという感想はありません。全体の印象は、作・演出の無茶ぶりを主演の中村まことが一人で演技で跳ね返して芝居を成立させている、中村まこと、エライ。というところです。
時々、台詞が唐十郎的な過剰な叙情性を帯びるところがありますが、その後はそれを打ち消すような素っ気ない台詞が続きます。あたかも無意識に書いてしまった唐的な台詞にびっくりして、慌てて打ち消しているような感じでした。
唐的な叙情性の影響の大きさを感じました。
2018年8月10日金曜日
イデビアン・クルー「排気口」
2018年8月9日 19時30分開演 世田谷パブリックシアター
振付・演出・出演:井手茂太
出演:安藤洋子(ザ・フォーサイス・カンパニー)、東さくら、金子あい、斉藤美音子、菅尾なぎさ、中尾留美子、依田朋子、小山達也、中村達哉、佐藤亮介、/原田悠、松之木天辺
振付・演出・出演:井手茂太
出演:安藤洋子(ザ・フォーサイス・カンパニー)、東さくら、金子あい、斉藤美音子、菅尾なぎさ、中尾留美子、依田朋子、小山達也、中村達哉、佐藤亮介、/原田悠、松之木天辺
2018年8月8日水曜日
CHAiroi PLIN 踊る童話「THE GIANT PEACH」
2018年8月6日 15時開演 池袋あうるすぽッと
原作:ロアルド・ダール「おばけ桃の冒険」
訳:田村隆一訳/N・E・バーカート絵(評論社刊)
振付・構成・演出:スズキ拓朗
出演:エリザベス・マリー、清水ゆり、ジョディ、ジントク、岩坪成美、福島 梓、柏木俊彦、朝比奈尚行、スズキ拓朗、青木萌、岡村 樹、小林らら、西 若菜、二ノ戸新太
原作:ロアルド・ダール「おばけ桃の冒険」
訳:田村隆一訳/N・E・バーカート絵(評論社刊)
振付・構成・演出:スズキ拓朗
出演:エリザベス・マリー、清水ゆり、ジョディ、ジントク、岩坪成美、福島 梓、柏木俊彦、朝比奈尚行、スズキ拓朗、青木萌、岡村 樹、小林らら、西 若菜、二ノ戸新太
2018年8月7日火曜日
ロロいつ高シリーズvol.6『グッド・モーニング』
2018年8月6日 19時30分開演 早稲田どらま館
作・演出:三浦直之
出演:望月綾乃(ロロ)、大場みなみ
早いものでロロの「いつ高」シリーズも6本目です。多分、すべて見ていると思いますが、今回は久しぶりの良作だと思います。1本目、2本目の新鮮さがもっとも印象的でしたが、それに続く作品です。二人芝居というシンプルさがよい結果を招いたような気がします。ただ、望月綾乃が女子高生と言うよりは、おばさんに見えてしまうのが残念です。
作・演出:三浦直之
出演:望月綾乃(ロロ)、大場みなみ
早いものでロロの「いつ高」シリーズも6本目です。多分、すべて見ていると思いますが、今回は久しぶりの良作だと思います。1本目、2本目の新鮮さがもっとも印象的でしたが、それに続く作品です。二人芝居というシンプルさがよい結果を招いたような気がします。ただ、望月綾乃が女子高生と言うよりは、おばさんに見えてしまうのが残念です。
2018年8月1日水曜日
2018年7月27日金曜日
2018年7月19日木曜日
劇団献身 『死にたい夜の外伝』
2018年7月17日 19時開演 下北沢OFFOFFシアター
脚本・演出:奥村徹也
出演者:加瀬澤拓未、木村圭介(以上、劇団献身)、大垣友、古賀友樹、渋谷裕輝、田島実紘(劇団スポーツ) 、タナカエミ(Dr.MaDBOY)、福富朝希、吉田電話(クロムモリブデン)
脚本・演出:奥村徹也
出演者:加瀬澤拓未、木村圭介(以上、劇団献身)、大垣友、古賀友樹、渋谷裕輝、田島実紘(劇団スポーツ) 、タナカエミ(Dr.MaDBOY)、福富朝希、吉田電話(クロムモリブデン)
2018年7月12日木曜日
2018年7月10日火曜日
Kawai Project 「ウィルを待ちながら──歯もなく目もなく何もなし」
2018年7月2日 19時開演 こまばアゴラ劇場
作・演出:河合祥一郎
出演 :田代隆秀、髙山春夫
作・演出:河合祥一郎
出演 :田代隆秀、髙山春夫
「ゴドーを待ちながら」のフォーマットで、シェイクスピアの台詞を二人の役者が言い合うという芝居。
出演者の一人、田代隆秀は「シェイクスピア・シアター」の創立メンバーで、ほとんどのシェイクスピアの芝居をやったことがあるというベテラン。もう一人の髙山春夫は「早稲田小劇場」の出身で、蜷川幸雄の元で数々のシェイクスピアに出演経験があるというベテラン役者。
これくらいのベテランになると、あの形容詞の連続するシェイクスピアの台詞も言い慣れていて違和感がない。
若い役者がシェイクスピアをやるときにいつも感じる「お前は台詞を間違えずに言うのに必死で、内容が全くイメージできてないだろう。」という違和感を感じることはない。
ただ、この芝居の面白さは、「あのシェイクスピアのあの台詞がこんなかたちでつかわれている。」と理解して、にやりとするところにあると思う。
その点、シェイクスピアに暗い私はそんなに楽しめなかった。
たぶん、一番楽しんだのは、この本を書いた河合祥一郎だろう。
2018年7月4日水曜日
東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『가모메 カルメギ』
2018年7月2日 19時開演 神奈川芸術劇場大スタジオ
原作:アントン・チェーホフ『かもめ』
脚本・演出協力:ソン・ギウン
演出:多田淳之介
出演:夏目慎也、佐山和泉、佐藤 誠、間野律子ソン・ヨジン 、イ・ユンジェ、クォン・テッキ、オ・ミンジョン、マ・ドゥヨン、チェ・ソヨン、チョン・スジ、イ・ガンウク
原作:アントン・チェーホフ『かもめ』
脚本・演出協力:ソン・ギウン
演出:多田淳之介
出演:夏目慎也、佐山和泉、佐藤 誠、間野律子ソン・ヨジン 、イ・ユンジェ、クォン・テッキ、オ・ミンジョン、マ・ドゥヨン、チェ・ソヨン、チョン・スジ、イ・ガンウク
2018年6月27日水曜日
2018年6月21日木曜日
モメラス「青い鳥完全版」
2018年6月20日 20時開演 横浜STスポット
作:モーリス・メーテルリンク
訳:堀口大學
演出:松村翔子
出演:安藤真理 、井神沙恵、 上蓑佳代、 海津忠、 黒川武彦、 中野志保実、 吉田庸、 和田華子
作:モーリス・メーテルリンク
訳:堀口大學
演出:松村翔子
出演:安藤真理 、井神沙恵、 上蓑佳代、 海津忠、 黒川武彦、 中野志保実、 吉田庸、 和田華子
2018年6月19日火曜日
東葛スポーツ 『12時17分、土浦行き』
2018年6月20日 20時開演 3331アーツ千代田 ギャラリーB104
構成:金山寿甲
出演:田畑菜々子(ナカゴー)、藤本美也子、石井エリカ、雪深山福子、渡辺ひとみ、村上さくら、寺田華佳、高羽快、川井檸檬、森一生(阿佐ヶ谷スパイダース)
構成:金山寿甲
出演:田畑菜々子(ナカゴー)、藤本美也子、石井エリカ、雪深山福子、渡辺ひとみ、村上さくら、寺田華佳、高羽快、川井檸檬、森一生(阿佐ヶ谷スパイダース)
2018年6月15日金曜日
2018年6月13日水曜日
2018年6月11日月曜日
トニー賞 2018
2018年6月11日
2018年度のトニー賞の発表がありました。
ミュージカル作品賞は「Band's Visit」でした。
トニー賞の選考には作品の芸術的な質よりも、興業的な要素(今後、最も売りたい作品が選ばれやすいという傾向)が強い事は十分承知していますが、それでも自分が見た作品の中で最も面白いと思ったものが選ばれるのは嬉しいものです。
「Band's Visit」は結構強力で、合計10部門
・ミュージカル作品賞
・ミュージカル主演男優賞 トニー・シャルーブ
・ミュージカル主演女優賞 カトリーナ・レンク
・ミュージカル助演男優賞 アリエル・スタッチェル(ブロードウェイデビュー)
・ミュージカル演出賞 デヴィッド・クローマー
・ミュージカル脚本賞 イタマール・モーゼス(ブロードウェイデビュー)
・ミュージカル照明デザイン賞 タイラー・マイコロウ
・ミュージカル音響デザイン賞 カイ・ハラダ
・オリジナル楽曲賞 デヴィッド・ヤズベック
・編曲賞 ジャムシールド・シャリフィ
で、受賞しました。
主演男優賞のトニー・シャルーブは、日本ではTVドラマの「警部モンク」の潔癖症の警部でおなじみですが、トニー賞チャレンジは3回目、前2回はストレートプレイだったようですが、3回目でミュージカルでの受賞になりました。まあ、ほとんど唄わないので変わりないと言えば変わりないのかもしれません。
主演女優賞のカトリーナ・レンクは素晴らしくて、作品賞受賞の7〜8割はこの人のおかげなのではないかと思います。砂漠の真ん中の何もない町の唯一のカフェの女主人で、「ラジオから聞こえるアラビックソングに自由を感じる。」とつぶやきながら生きていく様に、エロティックなまでになまめかしい、生きていく意志を感じました。
助演男優賞のアリエル・スタッチェルは、女性とみれば「Do you know Chet Berker?」「My funny Valentine 〜♪」と歌い出し、決め台詞は「Your eyes is beautiful」と口説くという古くさいパターンを真面目に演じて笑わせてくれました。今時、Chet Berkerなんて誰が知っているのでしょう。
演出も照明デザインもストレートプレイ畑の人らしく、奇をてらったところのない真面目な演出でこの物語にフィットしていました。
「Next to normal」あたりから顕著になった、ファンタジーと言うよりも現実的な問題を扱ったシリアスなミュージカルは、昨年のトニー賞受賞作「Dear even Hanson」やこの「Band's Visit」に広がり、ブロードウエイミュージカルの新しい波として定着したようです。
2018年度のトニー賞の発表がありました。
ミュージカル作品賞は「Band's Visit」でした。
トニー賞の選考には作品の芸術的な質よりも、興業的な要素(今後、最も売りたい作品が選ばれやすいという傾向)が強い事は十分承知していますが、それでも自分が見た作品の中で最も面白いと思ったものが選ばれるのは嬉しいものです。
「Band's Visit」は結構強力で、合計10部門
・ミュージカル作品賞
・ミュージカル主演男優賞 トニー・シャルーブ
・ミュージカル主演女優賞 カトリーナ・レンク
・ミュージカル助演男優賞 アリエル・スタッチェル(ブロードウェイデビュー)
・ミュージカル演出賞 デヴィッド・クローマー
・ミュージカル脚本賞 イタマール・モーゼス(ブロードウェイデビュー)
・ミュージカル照明デザイン賞 タイラー・マイコロウ
・ミュージカル音響デザイン賞 カイ・ハラダ
・オリジナル楽曲賞 デヴィッド・ヤズベック
・編曲賞 ジャムシールド・シャリフィ
で、受賞しました。
主演男優賞のトニー・シャルーブは、日本ではTVドラマの「警部モンク」の潔癖症の警部でおなじみですが、トニー賞チャレンジは3回目、前2回はストレートプレイだったようですが、3回目でミュージカルでの受賞になりました。まあ、ほとんど唄わないので変わりないと言えば変わりないのかもしれません。
主演女優賞のカトリーナ・レンクは素晴らしくて、作品賞受賞の7〜8割はこの人のおかげなのではないかと思います。砂漠の真ん中の何もない町の唯一のカフェの女主人で、「ラジオから聞こえるアラビックソングに自由を感じる。」とつぶやきながら生きていく様に、エロティックなまでになまめかしい、生きていく意志を感じました。
助演男優賞のアリエル・スタッチェルは、女性とみれば「Do you know Chet Berker?」「My funny Valentine 〜♪」と歌い出し、決め台詞は「Your eyes is beautiful」と口説くという古くさいパターンを真面目に演じて笑わせてくれました。今時、Chet Berkerなんて誰が知っているのでしょう。
演出も照明デザインもストレートプレイ畑の人らしく、奇をてらったところのない真面目な演出でこの物語にフィットしていました。
「Next to normal」あたりから顕著になった、ファンタジーと言うよりも現実的な問題を扱ったシリアスなミュージカルは、昨年のトニー賞受賞作「Dear even Hanson」やこの「Band's Visit」に広がり、ブロードウエイミュージカルの新しい波として定着したようです。
2018年6月7日木曜日
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